2011UJ01月号SBR感想 『#66 新たな世界(2)』

| 2011.06.14 (Tue) 9:25 PM | [SBR感想] | ←前■TOP■ |
世界を統べるのは

誰だ――?

 

前回まで
遂に大統領を倒したジョニィだったが、ジャイロの遺体を探している隙に、何者かに聖なる遺体を奪われてしまう。見覚えのある足跡を辿り、突き止めた犯人は何とDio!しかも以前とは異なるスタンド能力を持っていて――!?

表紙

表記が英字になってなんだかスマートになったTHE WORLDさん。手の甲の時計のオブジェをはじめ、ボコボコ出ていた突起物系のものは押し並べて縫いこむ意匠に変更。体の表面や顔の感じもタイツで覆われたような質感になり、ブロック的というか無機質的だった第三部のそれとは印象が違い、なんかシャツ着てるみたいな。覆面してるヘンタイさんみたいだぜ。このTHE WORLDはビキビキバカァとは割れなさそうです。アゴとコカンのハートマークはそのままですが、ヒジ、ヒザのハートは撤去。ヒジはさっぱりし、ヒザにはDioのDの文字が。あまり変わらないはずなのに、デザイン的にはやはり3部のもののほうがスゴ味があったように思えますな。重戦車に似たスゴ味を感じた。回顧厨乙ってか。えへへ。




本編

静止した時の中で、ナイフを無数に投げつける攻撃「チェックメイト」。初動の見えないこの攻撃を初見のジョニィに仕掛けるDio。と、同時に、爪弾の軌跡をナイフで変更。直接触らないあたり、Dioの用心深さが現れてます。しかし爪弾って静止した世界じゃあ生爪が飛んでるのかと思ったけど、『弾道』なのな。これじゃまるでレーザーですぜ。もしくはなんか伸びる武器。神殺鑓的な。あとやっぱり物理的な物体らしいです。ナイフでコンコンできてるので。思わずレーザーと称してしまったけど、光学モノは時間停止中はどう見えるんでしょうね。…このあたりツッコミ出すと時間停止の物理的概念に言及するハメになるのでやめときましょうか。でももしかすると、タスクが爪状の射出物質と描かれなかったのは、そのあたりを考慮してのものなのかもしれません。



光速で移動しながら光を見たとしても、粒子で見えるわけではない事と関係が…?



さてこのDio、止まった時の中でジョニィを観察します。どうやら大統領から事前に情報を得ていた模様で、大統領がDioにコンタクトを取った時の様子に回想します。

生き埋めになって死ぬという無限地獄の中、並行世界へその都度移動し、その都度必死になって身体を見つけ生きながらえてきた大統領。とうとう「生きているDio」に遭遇します。そして託される遺言。Dioも大統領も他人利用はするけれど決してつるまない一匹狼同士、果たして同盟は成立するのかと思いきや、結構あっさりめに成立。お互い合理主義者でこの場合大統領が完全に託す側なのでうまくいったのかも。(胡散臭さは残りそうですが) それに、大統領がDioのその野心においてそれを認め、支配者として遺志を託す点がDioにも響いたのかもしれません。よほど上っ面な賞讃や理屈より、善いも悪いも度外視したそのスタイルに共感したのかも。いや、Dioは利用できるものは何でも利用するというスタンスだからか。
それにしても、大統領がここまで自身の敗北を認めていたとはちょっと意外な気もしますね。それをDioに託すというのもやや意外。このあたりからは、大統領が本当に私利私欲ではなく愛国心から行動していたのだと感じ取れます。というか、D4Cのせいで命の概念や価値観が達観してしまっている大統領は既に『愛国心』という概念になっているようにも見えます。ですけど、どうしてここまで頑なにジョニィを拒絶するのかよくわかりません。なぜアメリカ人のジョニィでなく、イギリス人のDioに信頼を置くのか。地球の裏側の何も理解しようとしないどこかのクソ野郎ってのはDioの事なんじゃあないのか。支配欲=絶対管理(自由意志を許さない世界)という式が成り立っているのか。だとするなら自由意志を尊重するジョジョ主人公とは決して相容れないものだとは思いますが、いまひとつわかりかねる。
それにしてもこの大統領、運命に抗うために次元移動を繰り返し、己の生命をも省みず自身の願う世界の平穏のために献身するその姿は、まるでひぐらしかほむほむを彷彿とさせるぜ。どうみても世界を救うため運命に抗う主人公です。本当にありがとうございました。



荒木先生お気に入りの言い回し


Dio:『「5秒間」という言い方は……』
Dio:『――そうだな―――』
Dio:『まったく理屈に合わないが………』
Dio:『「THE WORLD」』
Dio:『オレの能力は「5秒間」だけ時を止められる………そして動き出す』



解除される静止した時の世界。そして即座に対応するジョニィ・ジョースター。おめー初見でチェックメイト回避すんのかよ! ただもんじゃねー。 まぁ皮膚の硬質化とか身体を包み込むように回転の渦を発生させてガード(ハルトマンの疾風のガード用法的な。かぜのよろい。)というような事も想像はできますけどもだ。
さらにただもんじゃねーことに、落馬しつつも追跡弾痕で追撃。これをDioは再び時間停止で回避。地雷踏みそうなアッー!って瞬間に時間停止で回避できるのは地味に便利ですね。でも、シルバーバレットまで静止した時の中で動けるのは何故なんだぜ。まさかDioのTHE WORLDも人馬一体の能力なのか。
しかしTHE WORLDを持ってたとしてもタスクの能力はやべーな。唯でさえ自動追尾に面ガードの無効化、それにジョニィが馬に乗ってる状態だと触れたら即死の可能性もあるという…。なんというチートっぷりか。主人公の持つ技じゃあねー。
しかもこのジョニィの恐ろしいところは能力だけじゃあない。初見で「チェックメイト」から生き延び、さらには新しい能力までを看破。それが大統領の仕業であるところまで完全に見抜きやがりました。げに恐ろしきは奇数部ジョースターの判断力だぜ…。



MOTTO恐ろしいものの片鱗を味わったんだYO!



場面転換。

ここで場面はSBRレースへ。ジョニィは8th.STAGEを5位で入着。上位入着したのは、4位ポコロコ、3位ノリスケ、2位Dio、そして1位がなんとスループ・ジョン・B! 本当に不思議です!(笑)
おいおい、おめー誰だよ何しに出てきたんだよ。バーバ・ヤーガさんは空気読んで退場されましたよ。どんな特殊能力を持ってたというのか。Dioとジョニィはバトルしてたからともかくとしても、ポコロコとノリスケは何やってたんだ。こいつらが遅れをとるなんて納得いかない。理由があるとするなら、既に1位を取ってタイムボーナスもお互いにあり、最終ステージ直前というこの状況で内輪もめし、ならば誰か行き過ぎるのを待ってそれからゴールしようという密談がなされたというところですが…。それだったら2人の間でファイナルバトルが始まってたと思うのだけど、どうだろう。それほどDioの存在が脅威で、最終ステージで二人がかりでかからないといけない相手と認識されているんだろうか。ともあれ、なんだか獲得ポイント合わせに見えてしまうのはどうしたものか。そもそもスループ・ジョン・Bさんはここでトップとってもあんまし意味ない。まあリタイヤがあるから最後までわからないし、最終ステージだけで10億もらえるからがんばってもおかしくないか。ていうか、最終ステージは20数分で決着が着くそうだから、この時点でトップとの差が2,3時間あったらもう消化レースだったんですかね。そうなったときでも盛り上がるようにとの10億ボーナスなのかしら。
と、いろいろございましたが、最終ステージを前に優勝圏内にいるのは、1位ポコロコ、2位Dio、3位ノリスケ、4位ジョニィの4名と相成りました。



さて、ファイナルステージ。なんとこのファイナルステージは記録そのままに汽船に乗船し、到着順に対岸に渡り1位から15秒間隔で各馬スタートという仕様。わかりやすく言うと、8th.STAGEで一旦出走者は待機し、入着の差は関係なしに2時間かけて船で移動、到着次第15秒間隔で発走するというかたちです。ここに来て差がなくなるって(笑) ポイント足りない人やめんどくさい人は直接つぶしに行けって事ですねわかります。セーフティがまったくない、それがSBRレース。まあ、観客も注目してるし監視も厳しくなるから直接的な潰し合いは難しいかもですね。すべては最後まで盛り上げるためか、やるじゃないの、スティーブンさん。これで氷が既に溶けてたり、逆にまったく溶けてなかったら超ウケる。あ~~イイっすかねぇ~~のギャグの評価が違ってきますね。たぶん。という以前に、誰も憶えてないに50万ぺリカ。あと花京院の魂もつける。



ジョニィも汽船に乗り込みます。乗り込んだとたんにワガママ言ってスタッフ困らすジョニィさん。レースの賞金額が60億、次のステージだけでも10億だってのに10万や50万で買収しようとするジョニィはアホなのかケチなのかおちょくってるだけなのか。冗談だよウソ…落ちつけよ……そう…落ちつけって……僕の方がな…。…おちょくってるだけと判明しました。
貴重な休息時間を無駄に費やす事に飽きたのか、ジョニィも腹ごしらえと対Dioの検討。追尾爪弾で魚取りたあ豪勢だぜ。ヒューッ。
ところで、あの同じ顔のスタッフもスタンド使いですよね。何人いるんだ。TATOO YOU!の人らの立場、わりとねえな。



そうして船はついにコニー・アイランド・シーゲートへ到着。FINAL・STAGEがスタートしました。13kmの市街戦でジョニィが始めに目にしたのは、なんと視界の隅を横切る過去のトラウマの象徴こと白鼠のダニーと、「ウチの息子は乗馬の天才だ」のジョニィズ・ファーザー。手にはニコラスのブーツを持って、たったひとりで戦ってきたジョニィへ向けるまなざし。最後に応援してくれるのはやはり家族でした。父にとっては贖罪であり、ジョニィにとってはこれが過去への決着になるのでしょう。
とまあ、テーマを汲み取ると感動できるシーンではあるのですが、なにやら唐突な感じも否めません。どうしてかっていうと、この親父、観客席で懺悔を始めるんですよね。気持ちはスゲーわかる。8割が贖罪というもので占められてそうな気持ちはね。わかるんだけど、ぼくがこの場に居合わせたら、もう少しで栄誉と大金を獲得するかもしれない息子とどうにかして仲直りしたいんです、という穿った受け取り方をしない自信はないのでございます。ひょっとしたら、てめー何自慢してやがるんですか。くらいに思うかもしれない。背景知らなければなお更にね。心が汚れててもうしわけない。だけどなあ、わざわざ息子の名前を正式名称のジョナサンで言わないあたりも観客アピールが過ぎるんじゃないかと思うわけで。まあ本名で登録してないジョニィもアレなんですが。もし、「ジョナサン」という名前自体が父と息子の確執の象徴であるのなら(そう考えるとジョニィが本名を名乗らなかった理由にもなる)、なおの事親父はジョナサンと言うべきだったと思うのですがいかがでしょうか。


ウチの息子はもう少しで大金持ちです…!ww ジョニィはあだ名ですw ジョーキッドもあだ名w



さて上陸を果たしたジョニィは、いくつかあるルートの中からやはりDioを追跡する選択をとりました。そして近づきすぎずに時間停止できるDioの裏をかく形で撃ち殺そうとしています。おめー、レース委員の監視とか全然気にしないのな! ここは市街地ですぜ。ひょっとして、無限の回転だと殺した事すらわからせないなんてことができるのかしら。
しかし裏をかかれたのはジョニィのほうだったァー!


ここからの超反応。まさに神速のインパルス。まさか時空干渉してるんじゃあ…



時間停止の真骨頂、仕掛けタイミングなしのトラップ設置。しかしこのジョニィ、判断力と対応力がすごすぎで、目前に迫ったワイヤーを直撃の直前でワイヤー止め自体を破壊して回避。ワイヤー止めから破壊したのは、馬のためですね。アホみたいな判断力です。ちなみにこの瞬間がどのくらいかというと、大体1馬身から半馬身目前でワイヤーを視認したとすると、馬のスピードにもよりますが普通のサラブレッドのレースで当て嵌めると、大体0.1秒から0.2秒です。マジハンパない。アオリでは「このDio、さらにヤバイ!!」とかあるけど、ジョニィの方がヤバイとおもいます。

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

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