2010UJ07月号SBR感想 『#60 LESSON5』

| 2010.09.22 (Wed) 12:21 AM | [SBR感想] | ←前■TOP■次→ |
二人で刻んだ
足跡はすべて
この瞬間のために――

 

前号まで
伝説の「騎兵の回転」で、遂に大統領をとらえたジャイロ。だが鉄球は偶然、次元の隙間上を通過したため不完全で、大統領を倒すには至らず、反撃を受けてしまう。致命傷を受け馬上から崩れ落ちたジャイロの生死は…!?

表紙

アメリカの大地を疾走するジャイロとジョニィ。二度と戻らない、在りし日の二人の様相が強く、喪失感がこの上ないです。



本編

前号までのあらすじでジャイロの生死を問いかける文で終わったにもかかわらず、めくってすぐジャイロの死亡確定のお知らせ。念には念を、拳銃拾って全弾ジャイロにブチ込む大統領。もしかしたら、(鉄球の最終奥義とかで)生きているかもしれない可能性を根こそぎ奪うこの展開は、命の奪い合いしてんだぜという点が強調されてとてもいいし、やるせない。ジョニィのにじむ涙がそれを物語ってます。D4Cによる致命傷とダメ押しの銃弾、それに倒れた場所が水中という事が、ジャイロの死をイヤというほど決定づけてますね。ドじゃぁぁ~~んと消されるより実物あるぶん絶望感がある。目の前で親友がたったいま殺されたことと、その脅威が自分に向いている絶望的状況、なんかもう叫ぶしかないジョニィの気持ちがよく伝わってきますね。ところで、ページ跨ぎのL字コマって珍しい気がする。

猛然と襲いかかる大統領と、それを迎え討つジョニィ。「攻撃」というファクターは全て吹き飛ばし、その行いがもたらした不幸な映像を見せて精神的ダメージとして跳ね返す、ご存知D4C with ルーシーのチート防御システムが遺憾なく発揮され、ジョニィの通常爪弾は無効化。ジャイロの戦闘で馬の力が加わらないと大統領に届く攻撃はできないので馬を駆ろうとするジョニィ。このとき、地表を這う爪弾を放ちますが、「やれることはすべてやってみる」そして「それがすべて通用しない」という説明にもなって良いですね。しかし、この不幸な事故は見ていてつらいなぁ。それ故に大統領の邪悪さが際立つのですが。まあ、大統領の価値観も邪悪の一言では済ませられないんですけどね。良い事だとしても目先の事しか考えない為政者はクズだからなー。何が生活だよ、30年後の生活の事を考えて政治しろバカミン…。おっと失礼w。

一方大統領、次元を突きぬけてくる攻撃は馬の力がないとダメな事を知ったのでそれを無効化しにきます。それも持てる力を全て尽くして全力で。馬上の死角を利用し、波の下から次元移動して確実に馬を殺りにくる大統領がスゲエマジで恐ろしい&カッコいい。

その結果、見事馬にダメ―ジを与え、落馬させることに成功した大統領。馬が走れなければもう無敵。そう思ってひと安心したのか大統領、饒舌になります。


大統領:「試練は『供えもの』だ」
大統領:「りっぱであるほど良い」
大統領:「『ブンブーン一家』『マウンテン・ティム』『サンドマン』『わたしの妻』『ウェカピポ』『ティオ』………」
大統領:「おまえたちがそれだ」
大統領:「味方も敵もこのSBRレースに参加した者は『子羊の生肉』」

大統領:「次元の壁を超えれるエネルギーはこのわたしの『D4C』だけだ」
大統領:「そして新しい時代を意味する『ナプキン』………『不幸』をこの場所ではないどこかへ吹き飛ばすあの『遺体』…」
大統領:「わたしの国はこれから『幸せ』になる」



これまでSBRレースに関わってきた人々を「試練」であり「供えもの」と表現した大統領。ディアボロもこういう考え方してました。トラブルをポジティブに捉えるには良い考え方だと思います。ジョジョ紳士は日常で結構使ってるはずだ。そうだろう。大統領にとっては、絶対空間へのまさかの侵犯に「異次元へ干渉してくるなんてルール違反にも程がある」とか文句の一つも言いたくなるはず。同時に、本日のお前が言うな大賞もゲットしちゃうのだけど、そこを試練と捉えてポジティブに行動してるのはいいですね。ザ・ワールドもそんな気持ちだったに違いない。いや、ディオは因縁のジョースターの血統が時間停止世界へ入門してくるという、「ちょっとお前らホントなんなの」というシチュだからもっとかもな。

ともあれ、試練をより困難なものにして新しい世界への礎をより強固にしたい大統領は、一発だけ残っている小指の爪の爪弾を撃たせてくれるようです。……いや、大統領、それハンデになってないから。自分の身は異次元に置いて、ほぼ下半身不随の小鹿のようなジョニィを落馬させて馬も走行不能にしたこの状況下で「撃たせてやる」って恩着せがましいにも程がある。
しかし我らがジョニィはこの「もらった時間猶予」でジャイロのメッセージについて思考を巡らします。ジャイロはなぜ、『LESSON5』を突然あのとき言い出したのか。

ジャイロ:『LESSON5だ』………ジョニィ

ジャイロ:『オレたちの近道は遠回りだった…………』
ジャイロ:『このSBRレース………いつも廻り道こそが…』

ジャイロ:『最短の道だった』


迫る大統領。追い詰められたジョニィ。
ジョニィが取った行動は、ジャイロへ渡すはずだった鉄球を回転させる事。ジョニィは爪弾で攻撃してくるものと思っていたから、突然の鉄球の回転運動に面食らう大統領。ジョニィの行動の真意とは。



ジャイロ:「『LESSON1』だ」
ジャイロ:「妙な期待はするな。脚が動いたのは単なる肉体的な反応にすぎないぜ」


回転する鉄球を倒れ伏すスローダンサーの後ろ肢にのせる。するとォーーー…… 起き上がる。んじゃねーぜ!





蹴り上げられました。そして展開される、完全なる黄金の『回転エネルギー』。新たなスタンドのヴィジョン・タスクact4.。今度のタスクはボディがスケイルメイルで覆われていて脚もついてるんだぜスゲーなーーー



じゃあねーーよッ!! Σ(゚Д゚;


ちょっとまて、ツッコミどころが多すぎる。まずなんだ、「馬が行動不能にされるだろうから、鉄球の回転で馬の筋力を動かせ」がLESSON5の真の意味だったの? ”近道は遠回り”から出会ったころのテクと言動を思い出せってこと?? おいおい、もしそうならジョニィもぼやいて当然の遠回りだぜ。本当に本当になんて遠い廻り道…。(マジで)

あとなに、馬の力を利用するって走行エネルギーじゃあなくってもいいんですのん?それってもうスデに“騎兵の回転”じゃあねーよなッ!鐙のエピソードはどうなったんだよ。これじゃあ馬に蹴られた人の回転だよな! 馬乗りの家系マジかんけいない。オーノーだズラ。


しかしまあ、「死に馬に蹴られる」という用語の意味は引っ掛けられてるかもしれないので、ウマいこと言ってるという事にしておこう。


【死に馬に蹴られる】
意味:十中八九間違いなかったものが覆(くつがえ)ることの喩え。

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

SBR感想一覧