2009UJ12月号SBR感想 『#53 現象と女神』

| 2010.01.14 (Thu) 1:04 AM | [SBR感想] | ←前■TOP■次→ |
"遺体"の力を宿した女神(ルーシー)は


     誰に微笑むのか――?

 

前号まで
ルーシーを奪回し、大統領の野望を阻止せんと追撃するジャイロとジョニィ。その最中、木や川など周囲のものが追いかけてくる現象が…。一体、何が始まっているのか!? 手遅れになる前に、大統領を仕留められるか!?

ルーシー、どうなっちゃってんの。なんかフィギュアっぽくなっちゃって……。むしろ、こっちの方に何かを感じる。球体関節やジョイントの方が興奮するだろ!

って友達が言ったような気がする。心の声を聞いた。

あと、忘年会ラジオの準備とか年末進行とかあと個人的用事とかでバタバタしてたらあっという間に年越してました。ホントバタバタしてた。なんとか通常の流れに追いつきたいところです。

しかし、SBRはいろいろと連想できるキーワードが出てくるのだけど、なかなかうまく結びつけられないぜー。マンハッタンで女神コールとかストレート過ぎるのだけど、それが今回の現象やルーシーとどう結びつけて解釈すればいいのかわかりません。自由と民主主義の象徴なのだけど、大統領は正反対のことをやろうとしてるっぽいしなー。そういう意味合いがあるから、大統領は最後敗北するって事なんだろうか。他にもいろいろあるので、まとめてみたいけど出来る気がしません。


ルーシーの周囲に発動した謎の能力。いや、現象。ホット・パンツを巻き込みながらも、依然展開中。それをしっかりと観察する大統領。触れる事は危険と解っているので触りはしませんが、その影響は周囲の空間にまで作用している模様。“土地”だけでなく、空間も同様というわけですね。
観察した大統領は、現象が空間の収縮だけではないと看破。ルーシーを中心として、空間にスキマが発生していることを発見します。次元の断層とも言えば良いでしょうか。一言で言い表せば、『世界がズレている』。この現象の片鱗はルーシーが持っていたグラスの中の水に発現していました。が、これを認識できるのは本体(?)であるルーシーと次元移動という近似した能力を持つ大統領だけなのかもしれません。
しかし理解するにあたっての一番の難点は、“追い付く看板”現象と“次元の断層”現象、このふたつが相反している点にあります。空間がつながったままではあるものの次元ごと割れ、面ができて隙間ができたのならば、その分だけ遠ざかりそうなものです。隙間に手をかざした大統領の腕はフォルムはそのままで分断されたように見えるのですが、テーブルの上に置かれたビンとグラスは逆に次元が重なりあったかのように融合しています。いったいどっちなの?(´・ω・`)
これだけでも解らないのに、キズの移動や取りこまれた異物が人体を上って来るなんてもうお手上げ。隙間一つの理論で説明するのは難しそうです。それとも、それぞれをつなぎ合わせるような物理法則があるのでしょうか。相対性理論と量子学をつなぎ合わせる統一理論のように。あんのかなあ。

ひとつだけ“次元の断層”と“空間収縮”を繋ぐ説明があるとするならば、次元の断層には下方向に引き込む力が作用しており、そこに地面を含む空間が流れ込んでいるという解釈でしょう。巻き込む力に作用されないのが、ルーシーとD4Cなのかもしれません。でもこの解釈は、言うなれば「ザ・ハンド」の削り取る空間が恒久的に発生しているようなイメージなので、その場合滑り込んだ空間はどこで補完されるかっていう疑問がわいてきます。まあこれはザ・ハンドやクリームでも思った事なんですが。どうでもいいですが、繋げて言うと乳液みたいですね。ザ・ハンドクリーム。

この次元の断層に空間が巻き取られているというイメージは、例えるならマントルの対流により沈み込む大陸プレートに似ています。違うところは、プレートは生成される隙間が別にあるので絶対値が変わらないのに対し、こちらは生成されないので巻き込まれるたびに地球が小さくなっていく点ですか。凋んでいくわけではありませんが、収縮と言えなくもありません。地球を宇宙に置き換えると、先月ぼくが言ったビッグクランチととれなくもない。ちなみに高質量、高密度に限界が訪れると再ビッグバン。になるのかもしれません。

と思ったのもつかの間。この次元のスキマ、大統領はD4Cが動けることから遺体そのものの現象ではなく、遺体が引き出したD4Cのさらなる段階と判断しました。えー、そうきちゃったか。そもそもそのスキ間をD4Cが動けるってどういう事なんだ?? 通常の人間には縮んだ空間しか認識できないけど、大統領にはスキ間となった空間(=現世から消えた空間)が認識でき、その中を移動できるって事なの? スキ間に入って『立禁止』になった看板に例えると、D4Cだけ『立[入]禁止』に見えて[入]の部分にも入れるって事なのか。…うーん、消えた空間分を利用したテレポートにも見えないし(逆に遅くなって見えそう)、危なくなったら次元の狭間に逃げ込むくらいしか思いつかないぞ。ガーディアンヒーローズにおける老人市民的な。でも、似たようなことはD4C既にできるしな。ううん。。。

もしかしたら、スキ間が現象を起こしているのではなく、空間が集まってくる作用によって、空間にスキ間ができてしまっているのかしら。こっちの方が理屈は通るかも。でも納得はできねえ。


場面変わってジャイロ&ジョニィ。列車の機関部に到達し、馬から乗り移りました。ジョニィは無理なので馬で追跡。なんか、バック・トゥ・ザ・フューチャー PARTⅢ思い出してしまった。バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ最高。


さて、なんらかの敵が潜んでいると見られていた機関部。かくしてそこに居たのは、見るも無残な姿にさせられていた週給20ドルの機関士さんでした。


そこはかとなく、映画『ターミネーター2』のダイソンさんを思い出したのはぼくだけでしょうか。今にも、「もう限界だ、持っていられない」とか言いそうな雰囲気。

もう限界だ、持っていられない


大統領側の手先かと思われていた機関士ですが、普通に被害者でした。彼は鏡を面にして、「隣の世界」との境界に捕らわれていたのです。Dioのときと違い、「隣の世界」が目視できるのでとてもわかり易いですね。しかし、なんでそんなモノがこんな場所にあったのかはわかりません。超A級の謎です。まあなんていうか、配慮だと思います。でもこれ、厳密に言えば、鏡ではなくガラスのようなものでしょうね。向こうの世界も覗き込めるけど、反射もあるようなので。映ってる映像が、「隣の世界」側なのか、こちらの世界の反射なのかはなかなか難しいところです。

その機関士ですが、大統領の手によって、えげつない状態にさせられていました。顔・腕・脚はこっちの世界、胴体は「隣の世界」という状態。そして右肢がスネのところでブッ飛んでいます。それでさらに空気椅子かと思ったのですが、椅子には座っているようでした。さすがに大統領もそこまでドSじゃあなかった。「隣の世界」側の胴体に「隣の世界」の機関士の両手両脚が縛り付けられており、その背後にダルマ状態で瀕死の機関士(隣の世界)が。D4Cの能力の一端を初めて観るジャイロは状況の把握にテンパり、見るも無残な機関士に立てとか言ったり、ナメてんのかとスゴんだり、さらには状況の説明を求める始末。知ったかジョニィの解説がイラ立ちに拍車をかけます。それにしてもジョニィ、D4Cのこと分かり過ぎだろ! 何でこんなに分かっちゃってるんだろうこの子…。銃撃を受けた事とDioの顛末だけでここまで理解できるのか。最強のスタープラチナはないけど、判断力がすごすきんだよジョースター家はよぉ~~っ。

しかしこの機関士の状況がいまひとつよくわからない。縛り付けてある手足は機雷のようなもので、今現在はそれぞれ別の世界のあるので破壊は起こらない。けれど、動いてどちらかの世界に寄ると破壊が発生するようですね。このことから察するに、肉体でも断裂すればそれが一つの単位として判断され、その単位で破壊が起こるということがひとつ。もう一つ、同じ世界に同一の部位が存在した場合、それは直接の接触がなくてもそこそこの距離で破壊が起こるようです。右肢は後ろの世界に傾いた時に太ももの上の脚と破壊が起こったのだと思います。指が難しいですが、石炭をくべるときとあったので、前に屈んだ際に体に縛り付けられた指だけこちらの世界に出てきてしまったのかもしれません。直接の接触がなくても破壊が起こると睨んだのはこれと、その気になれば縛り付けられた脚は手で排除できるのにしないから。ジャイロも取ってやればいいのにしないですし。ジャイロは鏡の向こうの世界に手を伸ばせないからかもしれませんが、どちらにしても放置安定しかない状態と言えそうです。大統領、いつもこんな事考えてんのかなぁ。でもこの機関士がチャレンジャーでなんとか脱出を試みて死んでしまったら列車は止まってしまうのに。他人は誰も信用しない大統領らしいけど、やっぱりひとりはいろいろと大変です。まあ大統領には心強い自分自身が何人も…ってあれ、大統領、もう一人呼んで来ればよかったんじゃね?


機関士の事はオレたちが大統領を倒すことに希望を持って頑張れと放置したジャイロ。マルコ少年との扱いの違いはどうでしょう。ていうか倒したらホントに助かるんだろうか…。ぶっちゃけ、ダメもとで鏡割っても良かったんじゃねえのかな。何にしても、何の関わりもない人間の命をなんとも思わない大統領の所業。ジョジョの世界ではこれが絶対悪。そんなことしなくてもこの大統領には吉良やプッチ神父のような共感できる部分があまりないけど、読者的にはここで「黒」をハッキリと認識できるってとこでしょうか。ジャイロやジョニィは今のところ完全に「白」って印象ではないけどもだ。


一方ジョニィは単独で大統領に接近。ヤる気満々です。どれくらい殺る気かというと、ルーシーを盾にした大統領を躊躇なく撃つくらい。まあ、移動タスクは破壊対象を選べるとはいえ、さすが漆黒の意思持ちでございます。そして、ジョニィを目にした途端ルーシーを抱いて肉の壁にした挙句、発射されたタスクを躊躇なく、というかわざわざルーシーで受ける大統領がマックロクロスケすぎる。「何てヤツだ…『ルーシー』を撃つのか…」じゃねえよ。それ大事な遺体とちゃうんかと。ぼく、最初ルーシー(遺体)が大事だから抱きかかえたのかと思ったよ。

ジョニィのタスクはルーシーに命中したものの、ダメージを与えることなく追尾を開始。その追撃を逃れる過程で、大統領は一部の人にだけ垂涎のM字開脚を披露。物陰のスキマを求めてコソコソと逃げ惑ったり、タスクに追われて椅子に飛び乗ってお股広げたりといちいち小物っぽいボスであります。


らめぇ!


そのタスクは新聞紙でバシン! 挟んで処理完了。D4Cは挟めばほぼ無効化。臭い物にはフタなのです。決め台詞の「どジャアァァ~~ん」が妙にイラつくぜぇー。


どジャアァァ~~ん

挟んで終了かと思われた追尾タスク。なのでしたが、消滅せずそのまま大統領の手に移行。タスクは弾『痕』なので、面では挟めないのです。「穴」は「穴」であり、「挟」もうとしても穴が空いているので「挟む」事自体が起こらないわけですね。穴なので水滴も無効っぽい。これを挟もうとするなら、穴を移した新聞紙を別の何かで挟む必要がありそうですね。

さらに2発の追撃を喰らう大統領。やべえ、これは「面」の大統領に対して三次元の「穴」で対抗するジョニィは相性最悪か?! 大統領が素でアセってるのがなんだか面白かったです。そりゃそうだ、弱点克服のために挟めないものリサーチは大統領もしたと思うけど、穴を挟むとかさすがにその発想はできませんぜ。せいぜい大きなものとか、液体、気体とか、そういうレベルでのリサーチでしょう。

にっちもさっちもいかなくなった大統領は、先ほどの『ルーシーの隙間』にタスクを喰らっている両手を投入。するとどうでしょう、タスクは大統領の腕から吹っ飛んで、外にいた農民の頭に炸裂。これを見て、全てを理解する大統領。そして自分の持っていた「人の世の真理」に当てはめてご高説をブチ上げます。

『「陽」のあたる所必ず「陰」があり…幸福のあるところ必ず反対側に不幸な者がいる………』
『「幸せ」と「不幸」は神の視点で見ればプラスマイナス『ゼロ』!』
『『安定した平和』とは!平等なる者同士の固い『握手』よりも絶対的優位に立つ者が治める事で成り立つのがこの『人の世の現実』!!』

大統領の言はある意味で正義であり、この視点を滅私して維持できればプッチ神父のようにまさに神の視点になるのかもしれませんが、ジャイロが重きを置く個人レベルでの「納得」とは対極に位置する思想です。こういう視点も為政者には必要だとは思うのですけどね、かつて大統領が言ったように万人の尊敬を得られていないと不可能であり、それはなかなか難しい。皇族とか王家など、伝統などが伴わないとなかなか万人の尊敬は得られないでしょう。それを一発で得る手段としてあの方の遺体を集めていたのだと思うのですが、日本人、少なくともぼくには聖杯やら玉璽やら遺体をゲットしたからと言ってすぐさま尊厳を得られるとは思えないなあ。元からある背景(血統とか伝統といった受け継がれてきたもの)か、成り上がるにしても正当な手段で誰もが納得できるような事(もの)を成し遂げた(ゲットした)形でないと「納得」した上での尊敬は得られないと思うのです。その上でナプキンを取るものに成り得ると思うんですけどね。まあ、遺体をゲットした結果、自らがやることがすべて正義となるような存在であれば、もう従うしかないのかもしれませんが。。。

それを裏付けるように、大統領が手にした新しい能力。ルーシーのゆがみ(スキマ)は、『吉良(きちりょう)』なるものだけが集まる空間で、この世の害悪なる者は濾過されてどこかへ吹き飛び、どこかの誰かがヘタを掴むこととなるステキ空間。濾過される『良い事』の基準は誰が決めているのか(世の中にとって、ということらしいので大統領が決めているわけではないもよう)は気になるところですが、その空間を利用できるのが大統領だけなので、『大統領にとって良い事』と取ってもいいのかも。このあたりはよくわかりませんが、ルーシーを「神(女神)」、それにより発現したD4Cのさらなる段階を「新しい摂理」だとすると、それを手にした大統領は「ナプキンを取る」存在、とも解釈できるかもしれません。

一方ジャイロですが、古代魚につけられた咬み傷が腕を登ってきている事を認識。為す術も無くあっさりとコリコリとした頚動脈へと傷が移動し見るからにヤバイ事態に。おいおい、どうすんだコレ。だから鉄球で常時皮フを硬質化しとけとあれほど…。まあジャイロには鉄球の最終奥義・ダメージ移動があるのでどうとでもなりそうですがね。そういえばゾンビ馬ってなんだったんでしょうね。荒木先生がゾンビ好きって事でおk?

そしてラスト1コマ。コレが大問題。ナニが起こってるのかさっぱりわからない。外にまで伸びている「ルーシーのスキマ」に入って移動して来たって事でOKなんでしょうか。キズの移動はどういう理屈なのかもよくわからないし、何がどうなっておるのやら。スキマの方は、次元の断層って事で良いのかもしれませんね。このスキマに良いものだけが吸収されていって、結果良い事だけで世界が再構築されるとか。ともあれ今回のエピソードだけでは謎解きどころか現状把握すら困難なので、次号を待ちましょう。。。orz よく考えたら、キズが移動とか穴が移動とかいう時点でもうよくわからなかったぜ。

感想書くにはちとツラい内容の今月号でしたが、ここでTo be continued... 
次月、どうなってることやら! 

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

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