2009UJ09月号SBR感想 『#50 弱点の証明』

| 2009.10.30 (Fri) 3:45 AM | [SBR感想] | ←前■TOP■次→ |
進行する不可解なクライマックス


さあ、ケリをつけようぜ。

 

前号まで
大統領の野望阻止のため、ルーシー奪回のため、大統領の列車に迫ったDioとH・Pの前に、大統領のスタンド能力でもう一組の自分たちが出現。何とかこれを撃破し、大統領のもとへ向かう二人。最終決戦、始まるッ…!!




列車内にて「隣の世界」からトラップとして連れてこられたもう一組のDioとH・Pを元の世界へと送り返したDio。いよいよ大統領 vs Dio&H・Pの最終決戦です。

迎え討つ大統領は、スティールとルーシーがいる車両に。大統領はルーシーの傍を離れるわけにはいきません。遺体は「隣の世界」へ持っていけないので、ルーシーの傍を離れるわけにはいかないのです。そのこだわりが弱点と指摘するDio。いや、それはこだわりというか、仕方のないことなんじゃあ…。(-ω-`) しかしDioの理解力はスゴイものがあるな。ほんのちょっぴり世界の枠の外を体験したとはいえ、『ここの世界が基準』という事までわかってるのはスゴイ。これは、大統領が合理性のある行動しかしないからだろうな。遺体を隣の世界へ持って行ってしまえば誰も手を出せなくなるのにそれをしないのは大統領がそれをしたくてもできないから、という思考は大統領を相当信頼してないとできないです。これに遊びを混ぜるのがベアトリーチェというわけですね。そりゃやりにくいわ。


さて、最終決戦を前にそれぞれが思う事。呼吸は乱れ目は虚ろ、相変わらずH・PはストレスMAX、末期も末期です。過去の罪に対する自責の念に苛まれながらも、自己犠牲に償いを見出し遺体を手に入れる事が全人類にとって善になると信じて戦い続けているわけですが、この人は死に場所を探しているんですよね。それも、ただ死ぬのでは逃げになるので、命を使い切って死のうとしてる。その表れが、


H・P:「……今度こそ……わたしのこの命 捧げます」


というセリフなんではないかと思うのです。自分の信念に基づく使命ゆえの滅私ではなくて、償いのための滅私(投げやりというか、ポジティブではなくネガティブな感じ)なので(たとえて言うなら、ひぐらしの沙都子に近いような)、これはもう自分で決着を着けるしかない。H・Pはマジメすぎる性格なのが悪い方に行っちゃってるなぁ。彼女が帰ろうとしてるところは、現世にあるんでしょうか。

一方のDioはというとまさに対極。この世での「最大のパワー」を独占するため、野心を燃やします。「きれい事」は一切言わないところは突き抜けていてカッコいいですが、母親が死んだ事も水に流しちゃうのかよ。ダリオの情報に関心を示したのは何故だったんだぜ。しかし、見方によっては私情を一切挟まないフラットな思考ともとれます。人間を、どいつもこいつも自分の利益とうぬぼれしか見ようとしない気取り屋どもの集まりだと蔑んでおきながら、「オレはもっと気取らせてもらう」とか言っちゃうあたり、マジにきれい事は一切なしです。この軸のぶれなさ加減はそのままDioの精神力の強さに繋がってると思います。


そんな二人の殺意を一身に受ける大統領は、車内で変貌したルーシーを前に驚愕。その姿かたちに驚いたのか、頭部の部位がルーシー自身だった事に驚いたのかはよくわかりません。ルーシーが頭部の部位ってどういうこと??(-ω-`)?? 現在のルーシーだけで頭部なの? それとも、他の部位も吸収して、一体の遺体としてルーシーが再構築されているってことなのか。でもその場合は「おまえが頭部の部位だったのか」なんて言い方はしないだろうしな。うぅん。。大統領が「遺体はここにそろった」と言っているから、やっぱりルーシー自身が遺体全てと考えてよいのかしら。


その瞬間、背後から襲い来る影。野心に燃える男・Dioが一気に間合いを詰め、大統領に攻撃を仕掛けます。大統領もこれに応戦。ラッシュの速さ較べみたいになって、どういう原理かやっぱり浮いていく二人。しかし近接では気迫、能力共にDioが勝り、大統領にダメージあり。これまでの戦闘経験から、Dioは大統領を「壁に叩きつけ」たり「拳と拳で挟み」こんだりせず、『切ってえぐり取る』事を宣言。「挟み込む」の定義が難しいですが、切り裂く行為は「挟み込む」事にならないようです。これを受けて、大統領はドアの陰に逃げ込むぜ!ゴキブリのように! そしてこの行動から、Dioの指摘した攻撃方法は有効と裏付けられました!たぶん!

ドアの陰に逃げ込み、そのまま挟まって逃亡を図る大統領。しかしドアが閉まらない!いや、閉めてるんじゃあねーのだけど、建付けが悪いのか?このドア。と、上をみるとゲル化して金具のスキマを通過したH・Pのウデが再固型化してつっかえ棒になってたのでした。この人もなにげにケッコウ何でもアリだよね。


がーんな大統領でしたがメゲずにソファの陰を目指しますが、これもDioにソファ自体をヒールキックで蹴っ飛ばされてダメ。ブーツのギアと恐竜の筋力があれば、ソファで頭上パスもできるのだよ。

決して大統領を挟み込まないよう、手刀で襲いかかるDio。打撃は無効だけど斬撃は効くゴムゴムの実の能力者のように、「ダメージを受けた結果」の状態が有効か無効かの分岐点になってる気もする。でもまあいいか。近接ではスピードもパワーもDioのスケアリーモンスターズが圧倒しているのか、大統領は応戦せず、あくまで能力でこの危機を切り抜けるもよう。襲い来るDioの手刀に引かず、逆に前に出ることでDioの首の後ろに手を回し、恋人のように抱きよせて自分をDioと壁とで挟みこもうとする大統領。Dioの攻撃より素早く首の後ろに届いたのなら攻撃した方が良かったんじゃあ…と思ったけれど、、言いかえればそれほどまでにD4Cのスタンドにパワーはないという事なのでしょう。【C】くらいなんじゃねーかな。

このままでは「挟み込み」で脱出を許してしまうと感じたDioは、攻撃目標を首から自分を引き寄せている腕にチェンジ。その切れ味たるや凄まじく、大統領の手は両手共にブランブランだぜーッ! ここまでブランブランだともうほっといても失血死するんじゃないか。流れ出る血がなんかあやしい…。もしくは、腕を引きちぎってそれで「挟面」を創るとか。挟み込みの面積はほんのちょっぴりあればいいのだろうか。マン・イン・ザ・ミラーはカケラでも移動出来てたけど、D4Cはどうなんだろう。まあそんな展開はなかったのだけど、疑問だけは残ってしまった。


さて、倒れこんだ大統領にはカーテンが被さってきて、それで危機脱出かと思われたのだけど、これも「肉が伸びるところまでが私の射程距離」なH・Pがスティッキィ・フィンガーズのように手を飛ばして回避、そのアシストもあり、見事Dioの手刀は大統領のノド元を切り裂いたのでした。首まで落とすには至らないものの、大統領は両手首と首がブランブラン。…ここまで大出血ファクターが揃うと、流れ出た血液は物質なのでそれで挟み込みました、とかいう展開になるんじゃ……(; ・`д・´)

と予想したのですが、その予想は当たらずとも遠からずという感じで微妙に外れ、大統領の肉体は花瓶からブチ撒けられた水(水滴)によって床と挟み込まれてアナザーワールドへと移送されたのでした。絵的にはキャッチ・ザ・レインボーぽくもあった。斯くして、瀕死とはいえ大統領は逃亡に成功。Dioの「ブッ殺してやるッ」という三下セリフがマズかったですねきっと。


チェック・メイトに至らなかったとはいえ、メゲてらんないDio&H・P。Dioの思考は既に「隣の世界」から戻ってくる無傷の大統領の迎撃に移っており、それだけでなくD4Cのスタンド能力もまたこの世界が基本であると見抜いておられました。考察がいちいち鋭すぎるぜ。「この世界で即死」が抹殺の条件って解ってるだけでもスゴイアドバンテージだ。

いつ来るかもわからない大統領の奇襲に備えるDio&H・P。だがしかしH・Pの背後の引き出しが突然オープン!そこから飛び出したものは…





ま、まさか、この展開は……(; ・`д・´)…ゴクリ…(`・д´・ ;)





わたしはほんのちょっぴりだがこことは違う世界から来た、その名も『D4C…



version 2.0


デザインが違うのはそのためさ。基本的なパーツは変わってはいない。(耳とか)
私が身につけた新しい能力…この腹部につけられた、更に異なる次元へと繋がる袋。これに遺体を格納する事で真の力は完成す(ry







というのはまあ当然ウソで、普通に大統領だったわけです。H・Pはこの引き出しアタックを食らってちょっとした打ち身に。しかし狙いは「引き出し」と「H・P」の間の「挟間」でした。つまり引き出しを食らったあたり、具体的に言うと、H・P女史のなめらかなアンダーバストのあたりから人面疽のようにキモイ人出現ですよ。


チュミミ~~ン





そしてスタンドによるボディーブロー。大統領と違い、切断とかは肉スプレーで平気だけど打撃に案外弱いH・P。引き出しとH・Pから、まさに「湧いて」出てきた大統領。ひい、ふう、み…


なんと3体の大統領が出現ですよ。元の世界の自分、「隣の世界」の自分、そのまた「隣の世界」の自分。
さっきのネタのせいかもしれませんが、こういう話がドラえもんにありましたよねー。のび太の宿題をするのに未来の自分を連れてきて手伝わせるっていう。そういえば、D4Cの並行世界では時間軸はどうなってるんだろうか。時空間は共通なんだろうか。
ともあれ、大統領は並行世界の分だけ自分を味方として連れてくる事が出来るようです。しかもどれも本物で入れ替わり可能だから、本体がどれとかはなし。それならもっとたくさんでこれば万全だったのではなかろうか。ていうか、ものすごい数のDioをトラップとしてまた連れてこれば終わりなんじゃ……。かなり可能性は薄いけど、本人同士で結託されたら困ると思ったのでしょうか。とにかくこの3体の大統領に怯む事なく猛然と立ち向かうDio様。鬼の形相ってこういうのを言うのだね…。WRYYYYYYYY! この表情には覚悟が感じられて実にカッコよいぜ!

が、しかし超身体能力を持つDio様でも多数相手はキツイ模様。全員同じなものだからコンビネーションも完璧です。しかし、Dioには「策」があったッ!



Dio:「H・P!! このためにここまでおまえを連れて来たッ!! 行くぞォォ―――ッ」



次の瞬間、大統領がひい、ふう、み、よ…






おかしいな、うっかりしてたよ、連れて来たのは2人のつもりだったが…… ではなく、クリームスターターの能力・肉コーティングによる変身です。大統領でも目でしか個体の判別はできないようで、突然増えたニセモノひとりが誰なのかはわからないって寸法さ。全てはDioの作戦。どんな敵が強力な能力を持ってても、相手が人間で社会や勢力を意識している以上は効果を得られる能力ですよね変身って。三つのしもべの中ではロデムが一番使えるぜ。
この一瞬のスキを突いて、Dioは二人の大統領を瞬殺。1対1になれば近接能力で圧倒するDioが有利なわけです。形勢不利を悟った大統領は再び逃走。しかしそれを逃がすようなDio様じゃあない。背後から一閃、肩をざっくりだぜ!しかし致命傷には至らない。大統領はそのまま窓を破って走行する列車から外へ脱出。割れたガラスと地面とで再度逃亡を図りますが、もうなんかアタマ良すぎるDio様はみんなお見通しでガラスの破片を防がれた挙句、今度こそノド元にドスゥと手刀を突き立ててTo Be CONTINUED...

うーむ、大統領がこのままくたばるとは思えませんが、神がかり的なまでに全て読み切っていたDio様にも勝って欲しい気持ちもあります。ヒール同士のこの対決、どっちが勝つことやらー。興醒めにはなるけど、隣の世界から来た大統領がもう一人いて、物陰に保険で隠れてたってのはどうだろう。もしくは今度こそ血液で移動とか。D4Cは一体でも残ると復活とか、ムーン・フェイスぽくもある気がする。





●おまけ:なんだか使えそうな画像


出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

SBR感想一覧