2008UJ10月号SBR感想 『#41 真の力(5)』

| 2008.09.29 (Mon) 1:43 AM | [SBR感想] | ←前■TOP■次→ |

躊躇なし、容赦なし…!

 

前号まで
アメリカ発祥の地・フィラデルフィアで、レース、そして遺体争奪戦に決着をつけるべく、最後の戦いが始まった! ジョニィが背後から銃撃され、ジャイロは突如敵のスタンド攻撃を受ける! 生き残るのは誰だ――ッ!?




フィラデルフィアの街角で、突如敵の襲撃を受けたジャイロとジョニィ。ジョニィは背後から何者かに銃撃され、ジャイロは通行人と一騎討ちです。無精ヒゲ通行人の能力は、地面に投影されたマス目に対し、物質を移動させる事のできるというものでした。凶器を液体等にする事で、ただでさえ難しい回避がすこぶる困難になっています。まるでヨーヨーマッのヨダレのようだ。
とはいえ、本体を晒すのは飛び道具の標的にされるのでやめといた方がいいんじゃあないかと素人は思うところですが、先月ツッコんだとおり、物質を移動させる効果がそのまま防御に繋がるので攻守共に完璧。稲妻十字空烈刃なんてメじゃねえレベル。ジャイロもその事実に気づき、ツンツンだった態度を改めて「かなり『無敵』なスタンド能力なんじゃあ…ねーのか…てめーの!」と、デレを強調し出しちゃいました。それに気を良くしたのか、今まで一言も発さなかった無精ヒゲがなんと自己紹介。

無精ヒゲ:『チョコレイト・ディスコ』


ジャイロ:「何? えっ………………?」




このCOOLダンディが一気にヘタレと化します

いきなり何言ってんだこの人は。ジャイロでなくてもそう思う。あとぼくはPerfumeあんまし知らなかったので、元ネタに関してもこんなリアクションでした。いやもうホント、最近アニソンしか聴いてないんだわ。ビックリするほど。

そんなスタンド名:チョコレイト・ディスコがもったいぶった自己紹介もそこそこに攻撃に入ります。破壊される容器と共にブチ撒けられる劇薬。その劇薬が飛ばされる前に対処すべく鉄球を投じるジャイロでしたが、そこは攻守共に完璧のチョコレイト・ディスコ。鉄球と一緒に返し技となってジャイロに降り注ぐ! 劇薬を纏った鉄球の威力はえらい強さで、ジャイロの右顔面をいいカンジにえぐっていきました。こういう描写、ホントーに好きですね荒木先生(笑)

崩れ落ちるジャイロ。しかし様子がヘンなのです。ジョー・モンタナのタッチダウンパスのような必殺のアタックだったはずなのに、攻撃の大部分はジャイロの背後に着弾。無精ヒゲが押したボタンの位置と3~4マスずれてます。思わず「あれっ?」とか言いそうになったけど、「オレのセリフは終わり…」とカッコつけて言ってしまっただけに口に出来ない無精ヒゲ。兎にも角にもジャイロは生きてて鉄球を回収して接近してきます。読者的には過去の経験から推測するに、「億康!?」とか思っちゃいそうですがここはパラレルワールド。ヒガシカタはいますけどスケイルメイル着たおじいちゃんです。
確認の意味も込めて再度劇薬攻撃を繰り出すも、やはり着弾したのはジャイロの背後でした。どーなってんですか、この状況で誤作動とかありえねーですよマジ困りますよホント。次誤作動したら発売元にクレームだすかんね!と、たぶんそんな心境でもう一度釘で攻撃する無精ヒゲ。しかしやはり着弾点はジャイロの背後。接近するジャイロ。もはやメーカーには謝罪と賠償を要求する事に大決定です。

十分接近したところでジャイロ、種明かし。

ジャイロ:「時々 つくづく思うんだ」
ジャイロ:「ご先祖様ありがとう(グラッツェ)ってね」
ジャイロ:「オレの『鉄球』の回転はツェペリ一族が何世代にも渡って研究して来た技術」
ジャイロ:「さっき2発同時に投擲した鉄球の回転が」
ジャイロ:「まわりの空気を集めてその密度で光線を屈折させている」

要するに、回転で空気の層を作って光を屈折させていたのです。ここにきて、1stステージの、景色を砂塵に投影するアレが壮大な伏線だったりしましたかコレ。ウルムド・アブドゥルさんも草葉の陰でさぞがし喜んでいることでしょう。しかし「光の屈折」。簡単に言うけど、誤認させるには数字やアルファベットといった指標となるマスにかからない様に層を作る必要があり、なにげに結構ムズかしそうです。ジャイロがズレを縦方向のみ絞ったのはそのためかもしれません。もし無精ヒゲが能力に精通していて指標なしに目視で位置を測定できるレベルだったなら、もっと混乱させられたかもしれませんね。でもまあ、3回も外す前に気づけないようじゃヒゲにはムリかな。そんな無精ヒゲは、悪あがきで拳銃を抜くも思ったよりも接近していたジャイロの鉄球でギャウギャウされてしまいました。凶器を飛ばす要領でジャイロも飛ばしてしまえば良かったのに、それをしなかったのはやはり質量・大きさ的な制限か何かがあったのでしょうか。そうだよねえ、大きいの飛ばせるなら「ロードローラーだッ!」でマスとか関係なく終了ですもんねえ。

というわけで、スタンド名『チョコレイト・ディスコ』、本体名『ディスコ』は再起不能。目下の敵を撃破したジャイロはいなくなったジョニィを調べます。「ジョニィは排水溝から中へ逃れたみたいだ」とか、とんでもない退避方法を即座に看破したジャイロ。しかし何が起こったのかまでは不明。そこで目撃者に聞き込みです。犬と遊んでいた少年たちにDioの写真を見せて面通し。そこで確認を取りました。怒りに燃えるジャイロ。あとは探し出して目玉抜き取って鉄球でギャウギャウするだけです。

しかし、意外なことに横から別の意見が。双子の女の子が指差したのはカバンの中にチラリと見えていた写真。写っていたのはご存知ウェカピポ。意見の食い違いからガキ同士でケンカ勃発です。「この女の子目が悪いんだよ」て言った返しが「あんたたちこそ頭大丈夫?」 女の子ってヤツぁーまったくよう。。。

しかしこの意見の食い違いはどういう事なのか。ジャイロはひとつずつ確認していきます。まず犯人の人数。これはひとりで双方一致。しかし撃った人間は誰だという質問になると真っ二つになるのです。男の子たちは馬術用のヘルメットを被ってた事まで憶えているのに意見は真っ二つ。ウェカピポのヘアスタイルが馬術用ヘルメットに見えなくもないような気もしなくもないですが、面持ちや体躯だって異なりそうです。ていうか、Dioが聞いたらキレそうな会話だ。オレのヘルメットがアミアミタイルヘアーみてーだと!確かに聞いたぞコラァッ!

そこへ口を挟んできた第三者、近所の絵描きが乱入ですよ。そのガキどもはハッキリ見てない、でもわたしはハッキリ見た、と自信たっぷり。見たまま描いたという似顔絵を持ち出してアドバンテージを主張します。何この、ネタ仕込んでました的な展開。とうとうオレさまの出番ですか?みたいな。まあそれは置いといてですね、その似顔絵に描かれていたのは巻き巻きカールの大統領。急に出てきて話を掻き回すじじいにジャイロびっくり、ガキどもも騒然。撃ったのは大統領だなんて、普通に考えたら突拍子も無い事柄ですよ。ガキどもも大騒ぎ。

ガキA:「大統領が独りでこんな公園に出てくるワケないだろッ!」
ガキB:「おかしいだろッ!ぼくらの国の大統領を悪者にする気かッ!?」
ガキC:「何で大統領が外に独りでいて銃を撃つんだよッ!」
ガキC:「夢でも見てたんじゃあねーのかッ!!」

ボロックソです。集中砲火です。ベレー帽まで被って画家気取りですか?みたいな。最近のガキどもは本当に遠慮を知りません。じじい、タジタジ。ガキ相手に「うっ」とか言っちゃいました。しかし大人の威厳と他にはない絵描きとしての観察力、そして「わたしは大統領とか特定の誰とか名前を言ってはいない!犯人を見たまま描いただけだ これは似顔絵だ」と屁理屈を展開。それって記憶で似顔絵描いたんと違うのん?敬意を知らないガキどもは「じゃあヘタくそだッ!ぜんぜん似てもいないぜ!」と鬼のような切り返しを発射。じじい、涙目になってないか超心配。

それにしてもこの事態はどういう事なのか。不可解な事が起こっている事は認識したジャイロ。何が何だか理解不能だけど、確実に分かっている事「敵スタンド使いを一人倒した」「ジョニィはどこかで生きている」という二つの点をとらえて前向きに考えます。混乱した時・悩んだ時は、分かること・できることをやっていくのが重要だってパンツじゃないからはずかしくない人たちも言ってました。指揮官がいない場合は、こういう考え方で窮地を凌ぐのが効果的ですよね。いろいろと謎が渦巻く事態ですが、ジャイロは切り抜けられるのか!?

一方建物の陰で邂逅する二つの影。先ほど写真に出てきたウェカピポとDioその人が、何やら怪しい密会中。マジェントの生存について黙ってたことを議題にグチグチやってます。マジェントを助けたのはDio。その事を黙っててマジェントの復讐を放置したのは確信的ではあるのですが、これをDioは「ヤツとは仲がいいと思っていた…」で切り返しました。仲がいいなら尚更助けた事を言ってやるべきだと思うんだけどな…。ていうか、マジェントさんは未だご健勝です!だれか行ってあげて!
しかしこの二人はグルなのかぁー!?グルだとしても一体どうやって??謎が謎を呼び不可解が連鎖する展開のまま、To be continued...!!




チョコレイト・ディスコ

「SOUL'd OUTみたく荒木先生繋がりでじゃなくても出てきましたね!何でもアリになってきましたね!」と有無のムーさん(生粋のPerfumeファン)からメッセ入ってびっくりでした。SBRはコミックス派のムーさんですが、Perfumeファンという事でムーさんの周囲からOh!good newsとして報告が入っていたようです。恐るべし。機会があったらいろいろ聴いてみたいと思います、Perfume。今がその『機会』ってヤツなのかもだが!

それにしても、確かにSOUL'd OUTのような関連性を持たない邦楽の導入一発目がPerfumeというのは、事件なのかもしれませんね! 関連性で言えば、ストロベリmelodyでも良かった気がしたのは秘密です。かなりしまらないけどな!


目撃証言の不一致

ガキどもはDioを見たという。双子はウェカピポを見たという。そして、絵描きは大統領を見たという。ちょっとそれぞれの位置関係を先月の図を再利用して作ってみました。参考資料はUJ9月号のカットです。


参考資料


全体像

こうして見るとですね、絵描きはただキャンバスの方見てただけなんじゃあないの?って気がしますね! 確かにその視線の先あたりに大統領はいたっぽいですよ。あれが幻影でない事前提ですけども。というわけで絵描きの証言(という名のネタ)は置いておきます。マンガ的には、わざわざ絵描きを持ってきたのは大統領の顔を知らない(?)ジャイロのためって気がしますが、とりあえず保留。で、事が起こっていた街角です。犯人は[?]の位置です。双子の女の子、ガキどもの位置はそんなに変わらないのですが、どちらかと言えばガキどもの位置の方がハッキリ見えていたのではないかと考えられますね。彼らの位置からはDioに見えていた。しかし双子の位置からはウェカピポに、じじいはモーロクしてたとすると、一体どういう事なのか。

何がなんだかわからねーですが、一応の伏線らしきものはありましたね。そう、今回ジャイロが光の屈折レンズネタをやったばかりなのです。同様の技がウェカピポに使えないという事はないんじゃあないでしょうか。すると、「壊れゆく鉄球」で屈光レンズが作られていた事になります。なんで全シールドにしなかったのが気になるところですが、レンズも大体にしか張れないんでしょう。証言が分かれた理由はこういう事にしておきますよ。左側失調で見えなくすればいいじゃない、という疑問は窓の外にブン投げます。ていうか、そこに理由があるかもしれない。

最後のウェカピポとDioの密会も気になります。手を組んでいる風でもあり、そうでもないようにも見えます。そしてこの二人が大統領と繋がりがあるかどうかもまた不明。共闘しつつハラを探り合っているようにも見えるし困っちゃいますわ。実は「壊れゆく鉄球」を使う描写がないのでウェカピポ本人と断定する事もできないんですよね。最後、Dioが「ウェカピポ」と呼んだので本人と断定してもいいのかな。推理するには不確定要素と可能性が多すぎるのですが、純粋に読んでそれぞれの目的をまとめてみました。

  • ウェカピポ…祖国で妹がグレゴリオが保護されている事を知る。ジャイロに恩義を感じ、目的としてルーシー護衛を引き受ける。
  • Dio…全てを手に入れる。

この2点を見れば、対大統領という目的で手を組んだという事もありえそうです。ジョニィを撃つ理由がわかんねえですけどね。ちょっぴり生きてる方がふさわしいというのはどういう意味なのか。回復手段が用意してあって、大統領を釣るためのエサなのか。大統領陣営にいたウェカピポなので、Dioが一時大統領と協力関係にいた事は知っててもおかしくない。Dioは浮いてるわりに遺体も持ってて狙われやすいポジションなので、部分的な協力関係くらいは結んでいてもおかしくなさそう。だけども、結局ジョニィを瀕死にする理由がネックになりますが…。

あと気になるのが今回のラストでDioの顔面にひび割れが発生している事。これは恐竜化を始めたという事で、その目的が何か非常に気になります。ウェカピポとの作戦が次フェーズに移行し、次に行動するのがDioだという線が濃厚ですが、ここで同盟を破棄しウェカピポを攻撃する気かもしれません。お互い利用し合っているとすると、そんな展開もありそうです。ああ、でもその場合何も言わずに攻撃するかな。

とりあえずやはり気になるのは、ジョニィの残した「このスタンド能力は…」というセリフ。ジョニィは何を見ていたのか。大統領の能力、勢力関係と謎がいっぱいですが、ぼくはウェカピポ裏切りの線はないとしたいですね。

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

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