[墓場鬼太郎] 第10話「ブリガドーン」

| 2008.03.24 (Mon) 3:10 AM | [アニメ, [墓場鬼太郎] | ←前■TOP■次→ |

第10話 『ブリガドーン』

「私、ダメな男が好みなの!」(カロリーヌ)


 

 

 

 

半分冗談(希望的観測)、半分本気で言った「来週の舞台は三年後、何事もなかったのように鬼太郎はいる」という事が、当然のように実現していました。予想してたら驚かないと思うかもしれないけど、僕は驚いたよ。

それと、更新メッチャ遅れました。ぶべらっ!

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

第10話 『ブリガドーン』


 

僕の記憶が確かならば、確か先週の終わりは溶けた鬼太郎の復活のために恐山に行き、そこの霊水に3年浸けるという目的があったように思います。3年という期間は漫画特有のハッタリでOKとしても、恐山へ行く過程とかどんな感じで復活するとか、そこに至るまでのあれやこれやの冒険があって然るべきなんじゃないのですか。それが、無事恐山に行けたのか、霊水に浸ける事は出来たのか、そういった要項をすっ飛ばして当然のように三年後ですよ。キング・クリムゾンだってこんなに時間飛ばせないよ!しかも、三年後とかそういう説明も一切ナッスィン。ひょっとしたら五年後かもしれない。今が何時かなんて関係ない、とにかく鬼太郎は復活したいつかの出来事なの!という感じで始まりました。一話完結スタイルって便利!これは狙ったシリーズ構成なのもあるかもしれませんが、脚本がほとんど毎回異なる事が原因かもしれませんね。毎回最終回で一話完結スタイルだったカブトボーグでさえ、次回に迷惑かからないように一応のフォローはあったというのに。

そのようなどれだけ時間が経っているかが分からない状態で、キャラだけ固定で今回のお話。今回は水木しげる本人が登場してきました。貧乏マンガ家という設定で妖怪に興味津津な設定から、御大ご自身がモデルなのでしょう。初回にも水木さんが出てきてましたが、まったく関係ありません。墓場鬼太郎の脇役は軒並み命を失うのですが、この水木しげるも例に倣うのでしょうか。ひょっとして次回は作者死亡ゆえに最終回とかそんな展開だったりするのだろうか。なんたるメタストーリー!


 
私情を交えた妖怪からの反戦メッセージ

アバンは恐山でもなんでもなく、喫茶バッティングから。当然のように鬼太郎は復活し、おまけにヘンなタレ目の女の子までいる。そして水木しげる御大までもが。ネームに詰まったか水木御大、喫茶店に流れる「有楽町で溶けましょう」を気が散るから止めろとおっしゃる。それは無茶な、と思ったら、客としていたチンピラとも会社員とも取れる男たちが「何勝手な事言ってやがる」「そうだぞ、人がメロディに浸っている時に!」とごもっともな意見を述べられてました。そりゃあ水木さんがマズい。なのに引かない水木さん、マンガ第一の職人気質は認めましょうが、そない強情にならなくても。仲裁に入ったのが鬼太郎くん(当然慈善活動でもなんでもなく、タレ目の女の子カロリーヌちゃんにいいとこ見せるため)。「やめたまえ、争いを繰り返す人間どもよ」と上から目線で言ったもののワンパンノックアウト。鬼太郎くんは不死身だけど弱っちいのです。替わりに出てきたねずみ男、「おい、ケンカはよせ。ハラが減るぞ?」と何だか意味深げな発言で乱入し、文字通りのさっと一吹きでKO。実際のところ、ねずみ男はちょっとヤバいくらい強いよね。そんな感じで水木さんと鬼太郎一行が出会い、アバン終了。メッセージ性といい、導入としてのまとまりといい、文句のつけようがないアバンでしたね。前回の終わりがああでなければ。

新宿ビート族

新宿ビート族がどういったものなのか分からなかったので調べたら動画が出てきました。
 
■昭和蔵出しニュース 「新宿ビート族」(昭和42年)
 
 
ふうむ、なるほど。名称は変われどいつの時代にも似たような人たちはいるって事ですよね。同じような話で、ゆとりとかニートといった類も昔っからいたわけですよ。でも、これが流行のお化けファッションだとか、妖怪と見間違うとか、それは言い過ぎなんじゃあないかなー?明らかに違う。少なくとも新宿ビート族がマッドマン風のヤツと間違われる事はないだろうよ。いや、マッドマンは人間だけども。

見間違うものかどうか

死のベーゼ

水木さん宅に転がり込んだねずみ男、そこの花子ちゃんをあやしつつ、可愛さのあまり熱いキッスを今まさに!
 
 
生命の危険!


ある種、歩くバイオハザードであるねずみ男のベーゼ、それは抵抗力の薄い幼児にとってはまさに死の危険であったと言えるでしょう。「生まれてから一度も洗った事のないような口でキスなんかされちゃ、たまったもんじゃないわ」とはよく言ったものです。よく考えると、ものすごく危険な存在ですよねずみ男って。

的確な鳩尾への打撃

街でカロリーヌちゃんに遭遇した鬼太郎。街で見かけて「このあたりにカロリーヌちゃんがいるのような気がして」は何気に問題ある気がしますよ。その後も鬼太郎の妄想と現実を混ぜた言動は続き、「お前、人の恋人を!」とか、大丈夫かこの人。そんな鬼太郎に親父が一言。
 
目玉親父:「鬼太郎、つまらん女に近づくな」
 
 
親父の心配もごもっともです。しかしそれにキレたのがカロリーヌちゃんですよ。
 
カロリーヌ:「私、おフランスの大学を出た才女よ?」
 
 
的確に射抜くエルボースマッシュ


鬼太郎の鳩尾に的確なエルボーを見舞って歩き去りました。目の前で見てて誰がしゃべったかわからんのかこの女は。というか、ひょっとしたら目玉親父はアテレコの天才なのかもしれない。ゲゲゲでもメイド喫茶に行った時も、鬼太郎の声色で注文してたしな…。
 
 
メニューの影でアテレコ中
目玉の親父:「ラブラブ注入コーヒー下さい。君のラブラブの入ったコーヒーの中でうっとり蕩けたいです。」
 
 
面白いからそういう事にしておきましょう。「鬼太郎」って名指ししてるけど、華麗にスルーですぜ。
そんなわけで決別。目玉親父いわく、「ありゃあフランスから来た吸血鬼かもしれんぞ」との事、吸血鬼との相性がとにかく悪い鬼太郎にとっては近づかない方が賢明というものです。誰もがそう思うのですが当の鬼太郎は

鬼太郎:「それじゃあ僕と似合いの相手じゃないですか」

これには目玉親父も盛大に「はぁ?」と言わざるを得なかった。鬼太郎の色ボケはどうにかならないか。ゲゲゲだと色ボケよりファザコンが優っているのでまだマシだけど、墓場は歯止めが効かんぜよ。

ブリガドーン現象

ブリガドーンって、僕は馬の名前でそういうのがあって調べた事があったのですが、元ネタは映画だと思ってました。こっちだったのかなぁー。でも、このお化けに関係するブリガドーン現象はきっと水木先生の造語なんじゃないのかな。よく知りませんが。
 
そんなブリガドーン現象が上陸し、現世には鬼火がちらほらと発生するように。そんな様子を見た目玉親父が一言。
 
目玉親父:「鬼火か、雨戸を閉めれば解決だな」
 
 
マジか。それだけ?!そんな物理的な措置でOKなんすか?!でも目玉親父が言うんだからOKなんだろうな。

ガモツ博士の構想

お化け学の権威・ガモツ博士が来日。実は彼はカロリーヌちゃんの親父だったりします。彼はブリガドーン現象を発生させそれを利用し、中の妖怪たちを教師に迎えてお化け大学を開設し、この世にお化けの楽園を建設しようと企んでいたのでした。
 
そのため、ブリガドーンの中央部に位置する水木宅を占拠し、水木さん以下を物置に追いやったりします。比較的平和裏に解決してましたけどもね。連れているメンバーがまたベタというか定番とういうかですね、お前は怪物くんかと思いましたよ。
 
そんなガモツ博士、水木宅に土足で上がりこみました。
 
 
2週前に張られた伏線
 
 
ひょっとしてこれはあれか、前々回の怪奇一番勝負で出た日本では靴を脱ぐんだネタを含ませたネタなのか。わかりにくいうえに、至極どうでもいいわ!

トムポさん登場

ブリガドーン現象に対し、政府は閣僚と有識者を集めて対策会議。全然議論が進まない会議でとあるおじいちゃんが、「こんな議論はいつまで続けても無駄だ!科学では歯が立たんのです」と高らかに一喝。じゃあどうするんだと聞いたら、「チベットから千里眼を呼ぶのです!」だって。
 
 
チ○ポって言うな!
 
 
それで千里眼のトムポさん登場。彼は原作ではチ○ポだったらしい。流石にそれは自重したかフジテレビ。そのトムポさんの声をやっているのは同じく妖怪に造詣が深い京極夏彦氏。堂に入った演技でトムポさんを演じてくれました。GJ!しかしトムポさん自身はブリガドーンの中を見て報告しただけでチベットへ帰還。
 
 
仕事が終われば即帰宅
 
 
おい、こいつホントに見にきただけかよ!そりゃあ確かに千里眼には見ることしかできないかもしれないけども!見るだけでも普通残ってなんかしそうなもんだけどなあ…。っていうか、千里眼ならチベットに聞きに行くだけでいいんじゃねえの?!とにかく、トムポさんは帰りました。
 
 
一同、ポカーン

 
 
■おまけ トムポさんの千里眼の様子
 
チ○ポの指す方向にラピュタはあるのだ

とある物置での会話

目玉親父:「どうやらこの家はブリガドーンの真ん中にあるらしいぞ」
水木しげる:「テレビも電話もまったくだめです」
鬼太郎:「カロリーヌちゃんはガモツ博士の娘だったのか」
 
 
見事なまでに人の話を聞いてない鬼太郎です。もうこの際聞かなくてもいいから、独り言は控えてください。

ブリガドーンの世界

ブリガドーンによってお化けの世界になってしまった雲の中の東京。その効力たるや凄まじく、店舗とかも軒並みお化け用に変換されました。出てきたお店や看板を見てみると、
 
・キャバレーサンズ
・ホルモンおつや
・歌声喫茶うらめしや
・名物お岩ようかん
・往生名画座
・人魂プロパン
 
町全体がお化けのための施設に早変わり
 
とまあ多種多様。そんな奇妙さを内包しつつもコミカルなお化けの世界に、取り残された水木さん一家もだんだんと適応していきます。花子ちゃんはからかさと一つ目小僧と遊んでるし、人間世界では売れなかった水木さんもお化けの世界じゃお化けタイムスでマンガの連載をゲットしたり不死身テレビの取材を受けたりと引っ張りだこ。時間尺が良く分からないけど、あっさりと適応しまくる水木一家が実に面白かったです。たくましいぜ。

お化けタイムスの編集

不死身テレビのインタビュアー

お化け大学入学

ブリガドーンを探るため、お化け大学に入った鬼太郎。まあ、鬼太郎的動機はカロリーヌちゃんが大学出じゃないと結婚してくれないからなわけですが、とにかくお化け大学に入学です。そういえば、ねずみ男も入りました。彼はお化け大学不潔学科怠け学専攻して博士号を取ってたはずなんですが、それは華麗にウソ八百でした。ていうか、お化け大学はいくつあるんだ。(ここでできた大学は「怪奇大学」って書いてあったけど。お化け大学ってのは大学の固有名詞ではなく、総称的なものなのかもしれない。)
そんなお化け大学では「基礎吸血術」とかタメになるんだかならないんだか分からない講義が展開されてました。


講義風景


また、お化け大学は不心得ものにはちょーっと手荒いらしく、お化けの国設立に反対的な者には暴力を以て制裁される恐ろしい場所。これって学生運動の皮肉なのでしょうかね。時代的に微妙だけど。むーん。


内ゲバに発展?!

「溶かす」をキーワードに急展開

ボコにされた鬼太郎を介抱してたカロリーヌちゃん。そこにガモツ博士が入ってきました。そしたら突然怒り出しましたよガモツ博士。ブリガドーンが定着するまで妖気供給を切らせてはいけないから部外者を入れてはいけないとか言ってましたが、ぶっちゃけそれが鬼太郎を入れてはいけない事に直結するとは思えないので、単純に娘が部屋に男を連れ込んでいた事に怒っていたというのが僕の見解です。そうすると、「そいつは溶かして妖気エネルギーの足しにしよう」とかいう突然の過激発言も納得がいくというもの。そこからのガモツ博士はスゴいものでしたよ。目玉親父を踏みつぶし、喰らい、鬼太郎の首を絞める絞める。凄まじいまでの攻勢だったのですが、彼はミスを犯しました。そうです、最強キャラこと目玉親父を自ら飲み込んでしまった事です。
 
 
自殺行為に等しい所業
 
 
目玉親父を食べようとするなんて、アクアネックレスと知りながらコーラ一気飲みするようなもの。そんな事をしたらゲップが出るってくらい確実にボディを乗っ取られるってもんです。
 
 
特技:脳操作

止まる世界

目玉親父がのっとったガモツ博士は目玉親父の指示のとおり妖気放出機を逆回転。そしたら世界が戻るのかと思ったらですね、止め絵になった。
 
 
それはこっちのセリフ
 
 
ブリガドーンが動き出したからこうなったそうです。妖気放出を止めたら動き出す意味もわからなければ、どうして止まるのかもわからない。わからない事尽くしなのだけど、そんな事はもう日常茶飯事なのですよ、ちゃめしごとなのですよ。ブリガドーンは作ったものではなくって、発生したものを妖気放出して一箇所に留めていたという事かしら。こんな事を考察するのが、どれほど不毛なことなのか分かっているけど、けど、いいよね。

人間らしいものがうろちょろしている

水木しげる:「あ、晴れてるー」
水木しげる:「そんな事より今日は不死身テレビが取材に来るからな」

見事なセルフつっこみをしつつ、「二人とも、お化けらしくしろよー」とか言う水木さん。「はい!」とか返事良すぎるご家族の方々もどうしちゃったんだ。しかし世界はかつての人間世界に戻ってしまいました。見事に適応していた水木さん一家なので、喜びもしなければ安心もしない、ただ首をかしげるばかりの様子は、ある種のたくましさすら見えましたね。世界が変わっても動じずに観察し受け入れるのは、作家という生き物の特性なのかもしれません。家族はよくわかんないですけど。  
 
ともあれ、珍しく生存したまま復帰を果たしました。さすがは作者というところでしょうか。最後に、不思議の世界の扉はすぐそばにあるというメッセージを残してキレイ目に終了。次週はいよいよフィナーレです。ちゃんとまとめてくれるんでしょうか。別にまとまってなくってもいいんだけどもな!

放火がなかった!

墓場鬼太郎の三大要素、「うんこ」と「溶解」はあったのですが、今回は放火がなかった。無駄に気にしていただけに、なんだか物足りなかったぜ!  
 
バキュームカーは登場
 
溶かすの方にガモツ博士の発言と、冒頭の喫茶店で流れていた曲「有楽町で溶けましょう」の2つの要素があったので、それで代用という事でしょうか。まあ、そんなん気にしてるのは僕くらいでしょうけどもね!

『墓場鬼太郎 第10話 ブリガドーン』
原作
水木しげる
シリーズディレクター
地岡公俊
シリーズ構成
成田良美
脚本
堤泰之
キャラクターデザイン・総作画監督
山室直儀
演出
羽田野浩平
作画監督
袴田裕二
窪秀巳
美術監督
杦浦正一郎
大谷正信
音楽
和田 薫
CV
[鬼太郎] 野沢雅子
[目玉親父] 田の中勇
[ねずみ男] 大塚周夫
[水木] 島田敏
[ガモツ博士] 銀河万丈
[カロリーヌ] 江原詩織
[トムポ] 京極夏彦
アニメーション制作
東映アニメーション
製作
水木プロダクション・墓場鬼太郎製作委員会
公式サイト
墓場鬼太郎

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

墓場鬼太郎一覧