2008UJ02月号SBR感想 『#34 追憶の館(3)』

| 2008.01.27 (Sun) 11:40 PM | [SBR感想] | ←前■TOP■次→ |

過去(敵の攻撃)にとらわれたら…死!

 

前号まで
6th.STAGEを制し、7th.STAGEも快調にレースを進めている中、ゲティスバーグ付近で謎の敵におびき寄せられたジャイロとジョニィ。自分が「過去に捨ててきたもの」に襲われる、という謎の攻撃を前に、窮地に…!

前号、白ネズミのダニーとして襲ってくる敵スタンドをかいくぐり、清めの水を手に入れたジョニィ・ジョースター。馬の装備からハーブも手に入れて装備は万端、爪弾も全弾装填済みのコンバットロード。こんなにベストな条件でバトルに臨める事自体が珍しいぜ。「ハーブくらい、少量肌身離さず持っておけ」とか思うけれど、それはジョニィの勝手だから仕方ないか。きっとしおれちゃうんだ。カバンに入ってるハーブは根っこのところを湿った脱脂綿なんかで包んであるんだよ、きっとな。
 
そんな万全スタイルでダニーと対峙するジョニィでしたが、そんな雰囲気をブチ壊すウィスパーコメントが背後から聞こえます。
 
???:
「心が迷ったなら…ジョニィ・ジョースター 撃つのはやめなさい」
「よいな………心が迷ったらだ………撃つのはやめなさい」
「『新しい道』への扉が開かれるだろう………」

 
 
イバラの冠をして手首と足首に穴の開いた半裸のヒゲ男出現、時を同じくしてジョニィの脚がビクビク痙攣。全く動かない下半身が痙攣している…こんな事なんか今まで一度もなかった…。ジャイロの回転で一時的に立ち上がったり、天窓から進入するくらいは出来たけど、こんなビクビク痙攣は一度もなかったんだよーと驚愕し、何かの力を感じるジョニィなのでした。
 
 
建物内に入り、ジャイロの元へ辿り着くジョニィ。どうやって来れたのかは不明ですが、下半身が動かなくっても移動くらい出来ます。ひょっとしたら、新生タスクを活用した新しい移動法を開発したのかもしれません。だから下半身が動かないのは依然変わらない事実なのですよ。
敵本体ももちろんだけど白ネズミに象徴された己の過去にも決着を着ける覚悟で体勢を整えるジョニィでしたが、その周囲に散らばる品の数々。よく見ると見覚えのある品々で、しかもモノによっては自分の愛称入り。普通なら「思い出に浸って片付けがいっこうに進まなくなる」というシチュエーションなのですが、ここは戦場であり、しかもそれらは過去に確実に捨ててきたものばかり。つまりは敵スタンドの能力によるトラップ群、これに触ると漏れなくヘコんでラッピングされちまいます。幸いにも機動力のあるトラップはダニーのみなのでそれに集中して対処すればいいんですが、トラップはバリケードのように散乱していて、これは非常に戦いにくい。昔、誕生日に女の子に貰った四葉のクローバーに頭をヘコまされながらも、ジョニィは何とかダニーの小さなボディに二つもの風穴をあけたのでした。
しかし油断は禁物だぜー!割れたガラスの破片ひとつひとつもまたトラップ!しかもだ、その中から「お前を引きずり込む出入り口が増えただけだぜ」とばかりにジョニィの親父出現ンン!どこのマン・イン・ザ・ミラーですか?その親父・イン・ザ・ミラーは、白ネズミ・ダニーと同じく行動が可能な恐るべき上位トラップ、さらにコイツは喋りもしてくるので非常に厄介なシロモノ。ジョニィが本気で親父を憎んでいたのなら、躊躇するどころかメッタ撃ちで万事オッケーだったのですが、ジョニィはいい子だったので案の定撃つのを躊躇してしまうのでした。あなたの愛情が欲しかっただけなのー!
 
「捨てられたのはぼくの方なのに…」と苦しみ葛藤するジョニィに、これまでいいところのなかったジャイロがアドバイス。鉄球の回転で敵の本体の位置をサーチ、それをジョニィに伝えます。すかさず狙撃するジョニィ、タスクは命中し、敵スタンド及び造り出されたトラップ群も消えてゆきます。これで決着かと思われましたが、瀕死の敵が残した言葉は…
 
 
シビル・ウォー本体:
「これでいい………わたしの最終攻撃は…ついに…『完成』したな……」

 
「人は…何かを『捨てて』前に進む。これから…ジョニィ、おまえはわたしを『捨てて』…前へ進む」
「わたしを『撃ち殺す』という事はそういう事だ」

 
 
なんと恐るべき敵スタンド「シビル・ウォー」の目的とは、殺される事により敵の背負っていた過去の罪をジョニィに被せる事だったのでした!くそー、そう来たか!
 
過去が清められた事により敵スタンド「シビル・ウォー」は完成、敵本体も罪を被る前の姿で復活を遂げます。そんなのアリですか?!

 
「あれは1863年の事だ…」

ここで敵本体の回想炸裂!
 
今月号のNEEDLESSからチョイス。SBRの直前にあるんだもの…!連想するなって方がムリだぜ!今月のUJはNEEDLESSだけでなく、他のも珠玉のできばえでした!
 
と、その場に居たジョニィたちは思っただろうけど、ジョニィにおっかぶされた罪を理解するには必要なのでした。その回想の内容を簡単にまとめると、戦争に駆り出された彼は任務を怠り、その結果、味方陣営と町は虐殺の目に遭い、戦争自体も敗北へと向かってしまったというものでした。
 
そして今居る場所がその発端となった場所。他人の罪により復活した亡霊は自分の罪とは一味違うようで、その様はまさにゾンビ。触られてもラッピング効果にならず、物理的なダメージをもってジョニィに降りかかります。なるほど、わざわざゲティスバーグに誘い込んだのにはこの亡者をたくさん出現させるという狙いがあったのか。
 
その亡者の攻撃はまさにゾンビで、ジョニィの四肢を引きちぎるよ!少年誌では出来ない事を存分に描ききる!柔らかなおなかを引き裂き、臓物をブチ撒けなかったのは一筋の良心でしょうか。
 
掴んだところから引き裂けないのが描写の醍醐味ゾンビ映画ではなくてはならないシーン
 
とにもかくにも、戦いが終われば「なかったこと」には出来ないくらいのダメージを負うジョニィ。そんな瀕死の中で、あの方が三度降臨。またも同じことを囁きます。しかし、これに対して、「もう迷ってはいない!撃つべき場所がわかった」と言うジョニィ。その目には「決意」めいた意志が宿っていました!そして――― 

スーサイドアタック?最高にハイ!ってヤツかも!?
 
自らの頭部を撃ち抜いたジョニィ。そして黄金の回転を纏ったタスクの弾痕は心臓へ―――
 
一体どういう事なんだぜ?!(; ・`д・´)
謎は深まる一方のまま、しかも来月は休載という救済のない告知と共に、物語はTo Be Continued…!


 

いやー、ますますわけがわからなくなってきやがりましたよSBR。とりあえず、僕の予想は大方打ち砕かれたわけでして、面目次第もございません。そうだよなー、そんな単純な解決なんかあるわけないですよねー。この分じゃ、敵予想も全然間違ってますね。シビル・ウォーの本体は、多分レースとは関係ない、リンゴォタイプの敵でしょう。場所がポイントっぽいですしね。


その場所ですが、そこはゲティスバーグ。今までなんとなく連想しながらも、SBR世界はパラレルワールドなので関係ないなと思い追求しませんでしたが、今回はドンピシャの西暦も出てたので、戦争とはアメリカ南北戦争の事で、戦いはかの有名なゲティスバーグの戦いという事になるでしょう。ここで面白いのが、敵本体の当時の腕章に「US」とある事。USとは「United States of America)の事。実際の歴史の南北戦争ではこのUS軍が勝利を収めるわけですが、敵本体は自軍が敗北したような事を言ってます。という事は、このSBR世界ではアメリカ連合軍(南軍)が勝利している事になります。そう考えると、大統領が違う事、奴隷制度が残っているような世界(ポコロコの背景)が妙にしっくり来るんですよね。これに気付いた時、なんだかアナザーヒストリーの一説を見ているようで、すごく面白いと感じました。
 
▼「ゲティスバーグの戦い」参考サイト
ゲティスバーグの戦い(Wikipedia)
ゲティスバーグの戦い戦術の世界史


一方、今エピソードで明らかになり、そしてさらに謎が深まったシビル・ウォーの話。細かいところの追求はやりませんが、大局的なところの話をひとつ。
「追憶の館」のエピソードを読んでいて、きっと誰もが思った事だと思いますが、これは宗教色がめがっさ強いですよね。そこからイメージするとシビル・ウォー本体のキャラ性やジョニィの解決方法が少し見えてくる気がします。多分ホントに気がしただけなんで、あんましアテにされても困るしちゃんと説明出来ないと思いますが、僕が感じたのは、シビル・ウォー本体のキャラクター性が「人間」の立ち位置であり、ジョニィが「神(というか子?)」という構図なんじゃないかな?という事です。シビル・ウォー本体は過去の罪に苛まれているわけですが、罪の意識を感じながらも、それを誰かに押し付ける身勝手さが、いかにも人間の業のように思うのです。そうすると、人間の罪を背負ったジョニィが自らを撃ち抜いた事は「あの方」の所業に似ている気がしませんか。罪の連鎖に終止符を打つべく人の罪を背負い、自己犠牲とともに清め赦す。遺体を集めるジョニィはいつか神になるんじゃないかと囁かれてきましたが、これはまさにその瞬間なのではないでしょうか。それに黄金の回転がどう影響してるかは分かりかねますが、恐らく黄金回転の無限のパワーを利用しているか、鍵のような位置付けなのではないかと思います。
 
なんだか小難しい事を書きましたが、よく判ってないまま書いてます。自己犠牲も自殺(自傷)って形じゃダメなんじゃなかろうかとか、そのあたりは自分でツッコみながらも投げてます。そろそろ、ちゃんと聖書読まなきゃいけないかなー。。。マンガ感想書くのに聖書読まなきゃいけないってどんな感じの世界だよ(; ・`д・´)


最後に、ここのところずっと気になってた描写のわかりやすいシーンがあったので出してみます。それはネットラジオでも言った(と思う)遠近感を表現する上で採られている筆描きの描写で、画面に近い素体が描かれる際に使われてた技法でして、これが迫力が感じられるのでぼくは好きなのです。さらっと描かれてそうなのがまたスゴい。
 
近い側はまるで劇画ッ!絵とか描けないけど、表現方法としてタメになるなぁー

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

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