2007UJ11月号SBR感想 『#31 6度目のゴール』

| 2007.10.25 (Thu) 6:05 PM | [SBR感想, [荒木IZM] | ←前■TOP■次→ |

誰よりも迅く、誰よりも強く―――!

 

前号まで
マキナック海峡で、最強の刺客・ウェカピポを迎え撃ったジャイロとジョニィ。「鉄球」の技術を知り尽くした相手に追い詰められるも、奇跡的に勝利をおさめる。氷の海峡を渡るための「原住民のルート」を発見し、いよいよ6th.STAGEゴールへ向かう!

前号を思い返しながらあらすじを読んで、なんだか僕は違和感を感じたのです。何だろうと思って読み返しても、特に間違っている箇所は見当たらない。でも、原因となる所は見つけました。それは、「奇跡的に勝利をおさめる。」という件。

…うん、確かに奇跡が起こった事によって勝利しましたよ。ざっくりまとめてしまえば、奇跡的な勝利ですよ。何も間違ってない。でも、それって何か違うんじゃないの?!
あれはさー、こう、運命に導かれた奇跡というか、正しい道を進んでいたがゆえに見えた光というか、ウェカピポの言葉を借りて言えば『選ばれた奇跡』なわけですよ。何も間違ってはいないのだけど、軽くまとめられたあらすじになんだかガックリ来た黒鈴でした。「運命に選ばれたかのような奇跡により勝利をおさめる。」くらいにして欲しかったなあ。文字数制限もあるのだろうけれど。


さて本編は、SBRレースに関する模様から。このステージだけでなく、過去のレース全ての模様を生活レベルの視点でジョニィが語ってくれてます。砂漠を通過する過程や危険地帯の事などが描かれていて、非常に興味深い。僕は競馬をやるので騎乗の事にも触れて欲しかったのはあるけど、こういったレースにおける諸注意というのもとても面白いと思いますね。木の十字架が目立つ場所では山賊など人的脅威に注意しなくてはいけないというエピソードは、地球の歩き方のようで勉強になった気さえしましたよ。一方で、過酷なレースの中でのささやかな楽しみも描かれていました。それはジャイロの淹れるイタリアン・コーヒー。イタリアン・コーヒーというとエスプレッソでしょう。そんな器具をどうやって持ち歩いているのか、またどうやってコーヒー豆を挽いたりしているのかはわかりませんが、濃いエスプレッソは確かにガツンときますね。掃除がめんどくさくてぼくはあんまりやらなくなりましたが、きっと荒木先生もよく飲むのでしょう、あのステキなリビングで(→■アイデアを生むティータイムとそのためにある空間)。

そんな、ただがむしゃらに突き進んでいるだけではない、熱いバトルの裏のエピソードを織り交ぜて、いよいよ迎えるのがそのステージのゴール。そこに差し掛かると何故か同じタイミングで集結してくる強豪たち。これは湖越えの時にもあった描写ですが、ゴール前のデッドヒートはレースの醍醐味ですよね。ここまでの長距離レースではないのですが、競馬でも直線の駆け引きやせめぎ合いは見どころです。これはやはり、ゴールを決めて行うレースだからこそのものだと思います。

その集いし強豪は、海峡越えでニアミスしたポコロコとノリスケ・ヒガシカタ、そしてバーバ・ヤーガの3人。彼らは3人つるんでるけど、同盟でも結んだのでしょうか。会話とか一切してないからその辺はさっぱりわからんのですが。その中の筆頭格がとってもラッキーマン・ポコロコ。序盤ではラッキーの度にハシャいでた彼ですが、もう目が歴戦の兵になってます。なんか、ワルい顔になってますw。サンドマンの例もあるので刺客なのかも、と少し思いましたが、彼は単純にレースの舞台での強敵として居るのでしょう。SBR最大の敵、恐るべき野郎なのです。

ジョニィ&ジャイロに先を越された事をポコロコ。しかし最終的には絶対的な幸運が味方するのだと囁くラッキー星の使者。それを裏付けるかのようにジョニィ&ジャイロの前にポッカリと口をあけるクレバスがー!このトラブルを前にしても臆する事なく突っ込む二人。黄金長方形の真・牙とツェペリの鉄球の合わせ技でクレバスにワイヤーの橋を架けてしまいました。そしてその上を何事もないかのように走る馬。


馬がかなりスゴイ


な…なんだあ…ありゃあぁ……っ!!


ちょ、ちょっと待ってみようか(; ・`д・´) 。
ポコロコとラッキー星の人も驚く出来事発生。鉄球をリンゴの皮を剥くみてーに薄く伸ばしてワイヤーを張ったのにも勿論ビックリするけど、その上を何の躊躇もなく渡っていった馬の大道芸にも驚くトコだろそれは。でもその事には全く触れられていない…。SBRの世界ではそのくらい出来て当然!なのだろうか。操馬術ってレベルじゃねーぞ…!

それにしても、絶対的な強さを誇る幸運というスキルに対し、自分たちのもつ能力と工夫で立ち向かう構図にはメッセージ的なものを感じますね。『幸運』という能力は、いわば結果に直接作用する、因果律に干渉できる能力。性質的には押し上げられる運命に近いものがあり、ジョジョのテーマにガッツリと食い込んでくる要素です。しかし、それに頼りきってしまうか、工夫と努力で掴み取るかで姿勢の部分で大きく異なってくる。その違いを描きたいのではないかと思います。そういう解釈でもしないと、結果が全て自分に有利に働く能力には太刀打ち出来ないですしね。もしかすると、『幸運』=『運命』となぞらえて運命に打ち勝とうとする意味もあるのかもしれませんが。ともあれ、奇跡を信じて最善を尽くす事が肝要なのです。

ブリザード煙るゴール前、凍てつく吹雪さえも掻き消すような熱い人々の声援を受けて6th.STAGEを先頭で駆け抜けたのはジャイロ・ツェペリ!!一着でゴォォオオオオオールッ!!万に一つも落とせなかったこのステージ、ようやくジャイロが一着入線です。ジャイロの事だからもっと大きなリアクションでも取るのかと思いましたが、意外と控え目で、左手を突き上げた後右手で小さくガッツポーズ。ジョニィの方が「オレが最強だぁーっ!」と言わんばかりの万歳で若干吹いたよ。それにしても、下半身不随で両手離していいのか。(ていうか、そもそもどうやって操ってるのかも不明。乗馬って殆ど下半身の制御なのに。)

熱気渦巻くゴール上空を吹き荒ぶブリザード。その空の下の氷原を歩く一人の黒ずくめの男。マジェント・マジェントさんその人ですよー!
なんと未だ生存、しかもウェカピポの裏切りを知るキーパーソンとしてこの先も追ってきそうな勢い。大統領のためというよりは、チーム組んできたのに見捨てて行ったウェカピポを恨んでいるだけのようにも見えますが、気持ちはわからなくもないです。ひでえよウェカピポ。ギャグにも乗ってくれなかったし。思えば、あの頃から確執は生まれていたのかもしれませんね。何という伏線なのだww。しかもこんなところで最初の飛行機の話を引き合いに出しますか。


どういう災難だッ!


ヤバい、彼の事最初から結構好きだったけど、どんどんファンになってきてしまってるよ。彼には「ブリザードに吹きつけられても、頭を撃ち抜かれても帽子を脱がなかった、承太郎以上の男」として頑張って欲しいものですね!とはいえ、実際のところ彼は瀕死。果たして生還出来るかというと、激しく微妙です。過去の例(アンドレ兄さん、L.A.)の例があるので、このまま死亡という線もありえると思うのです。含みまくった台詞吐いても人間死ぬときは死ぬのです。でも、もしこのままお亡くなりになっても、それはそれで伝説になりそうなのでいいんじゃあないかなあと。普通に生き残った場合はそれはそれで面白くなりそうですし。シルクハットに隻眼というカッケイイ刺客の誕生ですよ。しかもその場合先程の「過去の例」にも逆の論理展開が施される事になり、ブンブーンブラザーズの復活フラグも立つというものです。え、そんな展開ありえない?いやいや、マジェントさんは誰かと組むタイプだと思うので、敗者復活チーム結成はなにげに結構あるんじゃあないかと思うのですよ。ブンブーン兄弟が生きて保護されていればの話ですけども。イレブンマンズさんの残りもお茶汲みくらいに入れてあげて結成してくれないかなー。

そんな妄想にトびながら、舞台はいよいよネクストステージ、7th.STAGE『フィラデルフィア・トライアングル』へ突入!最終到達地点のニューヨークも目と鼻の先、レースポイント的にもクライマックスへまっしぐら。一号たりとも目が離せないッ!




【おまけ】
先日、京都競馬場で行われた三冠レースのラストを飾る菊花賞。そのレース予想を今月のSBRに則ってしてみました(→競馬コンテンツ・ハロンボウ:■菊花賞 予想)。結果はまあ…ね。でも今年はサンツェッペリンていう馬がいて、今月のUJ読んだらマンガの通りに決まるような気がしてならなかったんだ。考えてる間はすごく楽しかったです。今年の菊花賞はわけわかんなかったから丁度良かったと思うよ。

【小説】
構想・執筆2000日以上とされる乙一版ジョジョが遂に刊行決定!第四部の吉良吉影との決戦後に杜王町で起こる事件が主題。四部ファンとしては見逃せないッ!発売日は11月26日で、その一週間前にあたるUJ12月号では荒木先生と乙一先生の対談企画が掲載される!最近のUJはDOGSとかにプッシュが移っているようだけど、ここらでガツンと特典やら懸賞やらをSBR色に染めて欲しいものですね!

【私事】
個人的な事ではありますが、この度見事幸運を掴み取りまして、M県S市の東北大学祭記念講演として行われる『ジョジョの奇妙な講演』を聴講してまいります(→黒鈴ブログ:■M県S市で文化に触れよう)。今回は名古屋の時とは違い一人で行く事になりました。しかしなんか寂しいので、整理券抽選に当たったという方がもしいれば、僅かな時間でもご一緒できればいいなと思うのです。もう既に往復の交通手段は確保してある(行き:夜行バス、帰り:はやて)のですが、当日の午前中なんかはズコーンと空いているので同じような境遇の方がいれば講演会まで行動を共にする事ができるんじゃないかとふと思ったのです。今のままだとぼくはジャンプSQ.を喫茶店あたりで読み更ける事になるでしょう。創刊号に「岸辺露伴は動かない-六壁坂-」が収録されていればまた盛り上がれるのになー。
という事ですので、別にかまわねーよ、という方がいらっしゃいましたらご一報くださいませませ!当選確率がえらく低いようですのでなかなかムズかしいかもしませんけどね。もれなく土浦の展覧会で撮った『桜のジョルノ』の携帯待受をあげますww。もし要ればですけども。

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

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