2006UJ11月号SBR感想 『#19 黄金長方形』

| 2006.10.19 (Thu) 12:18 PM | [SBR感想, [荒木IZM] | ←前■TOP■次→ |

今、明かされる、"回転"の秘密!!!

今月号では、ツェペリ家が完成させた回転の秘密が明らかに!ジャイロが頑ななまでに「オレのは技術(ワザ)だ」と言ってきた根底が暴かれます。その秘密はサブタイトルにもある「黄金長方形」に導かれる「黄金長方形の軌跡」!刮目して見よッ!

【本編】

泥の中に身を潜めたものの、メラメラ翼竜に包囲されたジャイロ&ジョニィ、もといジョナサン。………ジョニィで統一しますよ、もう!チラチラ燃え移る炎を気にすることなく、鉄球の秘密を解説します。しかしその前に、ジャイロが気になる事をのたまいます。

ジャイロ:「おまえはこれから『できるわけがない』というセリフを…4回だけ言っていい」

どうしたんだ、ジャイロ・ツェペリ!?先月まではあんなに弱気な事言うとマジギレしていたじゃあないですか。逆に言えば、あのジャイロがここまで寛容になるって事は、その難易度というかムチャさ加減が尋常でない事をそこはかとなく表現しているという事。僕だったら、まずここで1回言ってる。よくわからないながらも言ってる。間違いない。

唐突な前置きからジャイロは結論を、これまた唐突に話します。その結論とは、鉄球の秘密。過去に断片的に放たれていたそのキーワードは「無限」。ツェペリ家が目指したテーマとは「無限への追求」。そしてこの無限という概念を、「医術」と「処刑」の為に「鉄球」とのコラボを図ったのでした。

そしてその原理とも言うべきものが黄金比。1:0.168の比率に基づいた最も美しいとされる比率であり、この世の建築・美術の傑作群には黄金比が隠されているため、万人の記憶に刻み込まれるという。そしてこの黄金比で形成された四角形、つまり黄金長方形を黄金分割(黄金四角形から短辺を一辺とする正方形を取り除いて残る部分はまた黄金四角形となる特性)していくと、無限個の正方形が形成されるのである。この中心点を結んだ軌跡こそが『黄金の螺旋』であり、その黄金の螺旋での回転こそが『黄金の回転』であり、それは無限に続く力に到達するものであるというのである!

         ―講義名:鉄球の技術(ワザ) 講師:ジャイロ・ツェペリ LESSON4 「敬意を払え」より抜粋―

 

ジョニィ:「できるわけがないッ!」

最近、弱気ボイスを吐かせればワールドチャンプになれんるんじゃあないかってくらいのネガティブ発言を繰り返してきたジョニィ。満を持して叫びます!たとえ無限へと続くパワーがあったとしても、こんなとるにたらないこのぼくなんかにできるわけがない、と。これに対しジャイロ講師は、あと3回「できない」と言ったら黄金長方形の比率で正確にデザインされたベルトのバックルを渡すとおっしゃいます。そんなのがあるならはやくよこせっバカッ!って感じで俄然やる気になったジョニィでしたが、「できない」って4回言わないとダメだよんと、渡してくれませんでした。ジャイロのイケズゥ!!!

襲い来るメラメラ翼竜を、泥から水中に逃げる際に爪弾で始末するジョニィ。このとき黄金の回転を試してみるのですが、やっぱダメです。出るのは相変わらずの「こんな爪弾」で力はまったく変化してません。ヤケになったジョニィは立て続けに連呼します。

「できるわけがないッ」「できるわけがないッ!」「できるわけがないッ!!」ついでにもういっちょ、「できるわけがないッ」!

ジャイロは小さいときから訓練を重ねて手のひらや爪の形、第一関節の長さまで黄金長方形になっているレベルだから出来るのであって、そんな急にできるわけがないと。せめて物差しがあるならやってみるからはやくバックルをよこせとジャイロに詰め寄ります。しかしジャイロは「今のは一回にしか勘定しないからな」と言って渡してくれません。一体コイツは渡したいのか渡したくないのか!

 

そんなコントみたいな事をやっている間に新たなモデルの恐竜が!以前からそこはかとなく感じていましたが、最早恐竜とはいえないフォルム。そいつらは川縁に沿って規則正しく整列してます。何をするでもないのですが、なんか追い詰められている感じがビンビン伝わってくるぜ!早く本体を見つけて始末しなければ!
敵の圧倒的な攻撃も始まり一刻を争うこんな事態でも、ジャイロは”ツェペリ家の掟だから”、と4回言うまでは絶対にバックルは渡せないと頑なな姿勢は保持したまま。仕方ないので本体のいそうなところに黄金の回転をイメージしつつ爪弾を撃つジョニィでしたが、やはりそれは今までの爪弾で何の変化もありませんでした。
しかし爪弾がトウモロコシ畑を切り裂いた瞬間!チラリと見えた人影が!あ、あのジジイは…!


攻撃に失敗したジョニィらの傍まで敵の攻撃は迫っていました。ジャイロが回転で防御しますが、音の性質を活かした増幅攻撃によりジャイロはあっけなく撃沈!大切な人、尊敬する人、指標となるべき人物が致命傷を負ったのを見て、ジョニィの脳裏にはニコラス兄さんがフラッシュバック!トウモロコシ畑から姿を現したノリスケ・ヒガシカタ!そして無力な自分に泣き叫ぶジョニィッ!

そんな何も出来ないジョニィの視界に、川べりでしゃがみこむサンドマンの姿が!たまらずホット・パンツを呼んできてくれと悲痛の思いを伝えます。しかしサンドマンの取った行動とはッ!


そのまま音もなく忍び寄り、ノリスケ・ヒガシカタのハラにナイフをぶっ刺しました!うわあ、オジイちゃんヘソがみっつになっちゃったよ!!!


一体この行動の意味するところは!?大統領の刺客をマッスルがイカしてるサンドマンは始末したのか?いや、可能性もうひとつある…そんなバカな…まさかそんなッ!

 

ワルい顔のサンドマン降臨!こんなワルい顔見たのは、PS2ファントムブラッドで目の中に指を突っ込んで殴りぬけようと考えてるディオか、デスノートの月くんくらいだぜ!

というわけで、カネの為に実は大統領の手先になっていたサンドマンがディオの相方でした!奇しくも、「走ってるから」という理由だけで言った僕の予想が当たってしまったわけですが、ノリスケも普通に歩いていたので説得力がありませんね!でもいいんだ、満足だよぼくは。

サンドマンの能力名は「サイレント・ウェイ」。彼はカネの為にレースに参加していたのであり、その目的が果たせるのならば過程はどうとでもいいという理屈は理解できます。ネイティヴアメリカンである彼にとっては、「国」や「金」とは理解はしているもののそれらは単なる「概念」に過ぎず、「部族」や「土地」が基本通念であるサンドマンにとってはモノのようなものなのでしょう。大統領が力を増大させれば、「土地」をいくら買っても、「国」という強大なものに飲み込まれてしまう事まで理解が及んでいないのか。土地を「所有する」という考え方自体、サンドマンたちには理解しかねる考えなのかもしれません。

 

一方、ジャイロは再起不能の大怪我という状況で音に取り囲まれ絶体絶命のジョニィ。最初からバックルを使わせてくれればこんな事にはならなかったんだとボヤきながら目的のブツを手にしますが、ここでふと気づきます。


こんなバックルがあったからって、できるわけがない…!


そう、きっと回数などどうでも良かったのです。試行錯誤を繰り返して失敗し、やっと目的の黄金長方形のバックルを手に入れたところで何かが変わるわけでもない。4度言ったあとにバックルを手に入れてもできるわけがないのです。それに気づき、それでは真の黄金長方形はいったいどこにあるのか?それを自分で考えさせ、見つけ出す為にあった、『ツェペリの掟』。そして本物はいったいどこに!?

 『ツェペリの掟』!
 『全ては説明した』!
 『LESSON4』!
 『敬意を払え』!



 ………!?

 …敬意を払え、、いったい何に???


こんな描写はないのでホントかどうかわかりませんが、ジョニィは自分の眼で「本物」を発見します。それは、自然が創り出した黄金長方形の数々。『敬意を払え』とは、完全なるバランスで創造された自然に敬意を払えという事だったと僕は解釈しました。深い観察から芸術家達が学んだものと同じ視点を手に入れたジョニィ。夢か幻か、はたまた単なる白いネズミだったのか、文字通り草葉の陰から姿を現したダニーもまた黄金長方形に象られていました。

 

そして、ジョニィ開眼!

黄金の回転を取り入れた爪弾!スタンドのフォルムも変化して、迫り来る危機を回避する事が出来るのかッ!

 

 

 

で き る わ け が な い ッ !



おあとがよろしいようで…チャンチャン(よくない!)

 

 

うーむ、それにしてもサンドマンでしたか。物語はサスペンスというのが信条だけあって、荒木先生の演出はさすがですね。サンドマンが元々寡黙なキャラだから、スゴ味がスゴい。でもサンドマンのスタンドって、砂じゃあなかったの?
しかしここでサンドマンが敵だったという事は、ここでサンドマンの戦線離脱はかなり濃厚となってきますね。ポイント的にも上位だったし、順位の辻褄的にもいい感じになってきます。でもサンドマンが離脱かー。このステージではノリスケも再起不能(本編に由来するキャラはあっけなさすぎる最期を遂げるので、隠し玉とかはないと読みます)だし、上位組が結構脱落しますね。レースも中盤から終盤になってきたので自然といえば自然ですが。

…え?ドット・ハーン? ああいたね、そんなのも。

 

 

【おまけ】黄金比率のダニー

ダニーーーーーー!!

 

ダニーーーーーー!!

出典) 『STEEL BALL RUN』 荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ・集英社

ブラボー…おお…ブラボー! 最初ブラボタンにしようと思ったけど、なんかやらしいからやめたんだぜ

SBR感想一覧